聖別のために

今モーセは、シナイ山の頂上にいて、幕屋建設に関する指示を神から受けている。この箇所では、最高の材料を使用して注ぎの油を調合するように命じられている。（1）5 種類の香料が指定されている。①液体の没薬500 シェケル（5.7kg）。②香りの強い肉桂250 シェケル（2.8kg）。③におい菖蒲250 シェケル。④桂枝500 シェケル。⑤オリーブ油1 ヒン（3.8ℓ）。（2）これらの香料を、指示された調合法に従って混ぜ合わせ、聖なる注ぎの油を作る。
この油を注ぐ対象は器具と人である。（1）器具類に関しては、2 つのものが指定されている。①全焼のいけにえのための祭壇とそのいろいろな器具。②洗盤とその台。（2）人間に関しては、アロンとその子らが指定されている。注ぎの油は、祭司たちを聖別するためのものである。（3）さらに、2 つの禁止令が与えられている。①これと似たものを調合することは禁止されている。②祭司以外の者にこの油を注ぐことも禁止されている。この命令に違反した者は、民から断ち切られる。死によってか、追放によってかのいずれかの方法で、その者は民から断ち切られる。

聖霊の象徴

注ぎの油は、聖霊を象徴している。（1）イザヤ61：1 を見てみよう。「神である主の霊が、わたしの上にある。【主】はわたしに油をそそぎ、貧しい者に良い知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、わたしを遣わされた。捕らわれ人には解放を、囚人には釈放を告げ、」とある。（2）次に、ルカ4：20 〜21を見てみよう。主イエスはイザヤ61：1 を朗読した後で、次のように語られた。「イエスは書を巻き、係りの者に渡してすわられた。会堂にいるみなの目がイエスに注がれた。イエスは人々にこう言って話し始められた。『きょう、聖書のこのみことばが、あなたがたが聞いたとおり実現しました』」（使10：37 〜38 に記されたコルネリオに対するペテロのメッセージも参照）。（3）最後に、1 ヨハネ2：27 を見てみよう。「あなたがたの場合は、キリストから受けたそそぎの油があなたがたのうちにとどまっています。それで、だれからも教えを受ける必要がありません…」。この聖句は、信者は信仰の基本について教えてもらう必要はなく、さらに、偽教師から教えてもらう必要はないということを教えている。
注ぎの油という具象化されたイメージを、霊的生活に適用してみよう。私たちには、聖霊の油注ぎが与えられている。その真理を確信し、きょうもこの世に出て行こう。