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出エジプト記21:12 〜 17

12 人を打って死なせた者は、必ず殺されなければならない。

13 ただし、彼に殺意がなく、神が御手によって事を起こされた場合、わたしはあなたに彼ののがれる場所を指定しよう。

14 しかし、人が、ほしいままに隣人を襲い、策略をめぐらして殺した場合、この者を、わたしの祭壇のところからでも連れ出して殺さなければならない。

15 自分の父または母を打つ者は、必ず殺されなければならない。

16 人をさらった者は、その人を売っていても、自分の手もとに置いていても、必ず殺されなければならない。

17 自分の父または母をのろう者は、必ず殺されなければならない。

傷害事件(1)

殺人事件と誘拐事件

シナイ契約の諸条項(21:1 〜 23:33)について学んでいる。これから数回に分けて、傷害事件について学ぶ。最初は殺人事件である。(1)「人を打って死なせた者は、必ず殺されなければならない」。この規定は、故意に殺人を犯した者に適用される。殺人犯は必ず殺されなければならない。(2)過失致死の場合は、別の規定が適用される。犯人は、逃れの町に逃げ込むことができる。それを詳細に規定したのが、民数記35:6 〜 28 である。過失の場合、遺族には復讐することが許されていない。(3)もし故意の殺人犯が、死刑をまぬかれるために逃れの町に逃げ込んだ場合は、無理やりにでも連れ出して殺さなければならない。「しかし、人が、ほしいままに隣人を襲い、策略をめぐらして殺した場合、この者を、わたしの祭壇のところからでも連れ出して殺さなければならない」とある。(4)この時代において、すでに故意と過失の区別がなされていることに驚かされる。ここでの死刑制度は、人間のいのちの尊厳を教えるためのものである。
次に誘拐事件を取り上げる。「人をさらった者は、その人を売っていても、自分の手もとに置いていても、必ず殺されなければならない」。誘拐事件の場合は、いかなる状況であっても、犯人を殺さなければならない。これもまた、いのちの尊厳を教えるための規定である。

両親に対する侮辱

十戒の第5 戒で、すでに「あなたの父と母を敬え」と命じられていたが、ここで再度その戒めが強調される。「自分の父または母を打つ者は、必ず殺されなければならない」。旧約聖書では、両親への侮辱ぶじょくは重大な罪と見なされた。つまり、両親に暴力を振った者は殺される。これは、非常に厳しい規定である。さらに、「自分の父または母をのろう者は、必ず殺されなければならない」ともある。つまり、両親に暴言を吐いた者は、殺されるというのである。これは、言葉の暴力に対する罰で、言葉も人を傷つける武器になり得る。
モーセの律法は、両親を敬うことの重要性を強調している。両親を敬うことは、神の立てた秩序と権威に従うことである。両親に反抗する者は、神に反抗する人生を歩むようになる可能性が大きい。両親を敬うことは、謙遜を学ぶことでもある。自分一人で立っている人や、自分だけで生きている人は、いない。傲慢は破滅をもたらす。両親を敬うということについて、もう一度真剣に考えてみよう。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。モーセの律法の諸規定により、あなたがいかに私たちのいのちを大切に思っていてくださるか、よく理解できました。隣人を、自分自身を愛するように愛することができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

列王記第二5~6、箴言24