1 あなたが彼らの前に立てる定めは次のとおりである。
2 あなたがヘブル人の奴隷を買う場合、彼は六年間、仕え、七年目には自由の身として無償で去ることができる。
3 もし彼が独身で来たのなら、独身で去り、もし彼に妻があれば、その妻は彼とともに去ることができる。
4 もし彼の主人が彼に妻を与えて、妻が彼に男の子、または女の子を産んだのなら、この妻とその子どもたちは、その主人のものとなり、彼は独身で去らなければならない。
5 しかし、もし、その奴隷が、『私は、私の主人と、私の妻と、私の子どもたちを愛しています。自由の身となって去りたくありません』と、はっきり言うなら、
6 その主人は、彼を神のもとに連れて行き、戸または戸口の柱のところに連れて行き、彼の耳をきりで刺し通さなければならない。彼はいつまでも主人に仕えることができる。
シナイ契約が宗主権契約の形式で書かれていることは、すでに述べた。シナイ契約の構造は以下のようになっている。①両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3 〜 17)。これが十戒である。②挿入句(20:18 〜 26)。③基本条項に付加された諸条項(21:1 〜 23:33)。この箇所から、諸条項の記述が始まる。諸条項は基本条項(十戒)を具体的に説明する判例法のようなものである。諸条項の冒頭に出て来るのが、奴隷の扱いに関する規定である。
(1)この時代、貧者にとって奴隷制は必要不可欠なものであった。経済的理由で自分を売る場合や、盗みの代償を支払うために自分を売る場合もあった(出22:3)。(2)しかし、ヘブル人の奴隷の場合は、永遠に主人の所有物となるのではなかった。彼らは、6 年間主人に仕え、7 年目に去ることができた。(3)主人は、自由になった奴隷を、手ぶらでなく、物質的祝福を与えて去らせた。「・・・必ず、あなたの羊の群れと打ち場と酒ぶねのうちから取って、彼にあてがってやらなければならない。・・・あなたは、エジプトの地で奴隷であったあなたを、あなたの神、【主】が贖い出されたことを覚えていなさい。それゆえ、私は、きょう、この戒めをあなたに命じる」(申15:13 〜 15)。「彼を自由の身にしてやるときには、きびしくしてはならない。彼は六年間、雇い人の賃金の二倍分あなたに仕えたからである。あなたの神、【主】は、あなたのなすすべてのことにおいて、あなたを祝福してくださる」(申15:18)。(4)奴隷に妻があれば、彼は妻と共に去ることができた。(5)主人から与えられた妻なら、その妻と生まれた子どもは置いて行った。妻と子どもは、主人の所有物だからである。(6)注目すべきは、「自由意思による奴隷」という制度があったことである。7 年目を迎えた奴隷が、主人のもとに留まり、家族と共に住むことを願った場合は、ある儀式を行う。「その主人は、彼を神のもとに連れて行き、戸または戸口の柱のところに連れて行き、彼の耳をきりで刺し通さなければならない。彼はいつまでも主人に仕えることができる」。つまりその奴隷は、自らの選びによって主人の所有物となるのである。これは、私たちクリスチャンの姿を予表している。私たちは、キリストにあって「自由意思による奴隷」となった。私たちは、強いられてではなく、愛のゆえに神に仕えるのである。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。モーセの律法の中にある奴隷制度の規定が、クリスチャンの姿の型となっていることに驚きました。どうか私を「自由意思による奴隷」としてお用いください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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