3 モーセは神のみもとに上って行った。【主】は山から彼を呼んで仰せられた。「あなたは、このように、ヤコブの家に言い、イスラエルの人々に告げよ。
4 あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に載せ、わたしのもとに連れて来たことを見た。
5 今、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから。
6 あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。これが、イスラエル人にあなたの語るべきことばである。」
7 モーセは行って、民の長老たちを呼び寄せ、【主】が命じられたこれらのことばをみな、彼らの前に述べた。
8 すると民はみな口をそろえて答えた。「私たちは【主】が仰せられたことを、みな行います。」それでモーセは民のことばを【主】に持って帰った。
9 すると、【主】はモーセに仰せられた。「見よ。わたしは濃い雲の中で、あなたに臨む。わたしがあなたと語るのを民が聞き、いつまでもあなたを信じるためである。」それからモーセは民のことばを【主】に告げた。
前回は、①【主】からの呼びかけ(3 節)、② 契約の前提(4 節)、③ 契約の条件(条項)(5a 節)について学んだ。今回は、① 祝福の約束(5b 〜 6a 節)、② 民の応答(6b 〜 8 節)について学ぶ。
「あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから」(5b)。(1)【主】は、全世界の所有者である。それゆえ【主】は、御心のままに人を祝福したり、罰したりすることができる。(2)イスラエルの民は、その神の特別な宝となる。つまり、神の私有財産になるということである。これ以上の特権はない。
「あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる」(6a 節)。(1)イスラエルの民は、祭司の王国となる。神の律法(法律)が、その国の統治原則となる。その王国には、祭司職が設けられ、神との交流が維持される。また、イスラエルの民は、諸国民に対して祭司として仕える民となる。(2)さらにイスラエルの民は、聖なる国民となる。つまり、諸国の中から分離された国民になる。彼らは、神を知る知識と神への礼拝を保持する国民、また、神の律法に従って歩む聖なる国民である。以上の内容が、シナイ契約の中で約束された祝福(特権)である。
(1)モーセは民の長老たちに【主】のことばを伝えた。(2)民は同意し、「私たちは【主】が仰せられたことを、みな行います」(8 節)と答えた。しかしこれは、あまりにも軽すぎる同意である。民は、自らの限界を知らなさ過ぎた。(3)モーセは、民の言葉を【主】に届けた。すると、【主】からの答えがあった。「見よ。わたしは濃い雲の中で、あなたに臨む。わたしがあなたと語るのを民が聞き、いつまでもあなたを信じるためである」。民がモーセに語りかける【主】の声を聞くことができたのは、それによってモーセのリーダーシップを認めるためである。
イスラエルの民に与えられた祭司的使命とは、神の愛と義を諸国民に示すことである。しかし、後の歴史が示すように、イスラエルの民はその使命を果たすことに失敗した。熟慮のない信仰、表面的な信仰は、途中で破綻する。イスラエルの民の失敗から教訓を学ぼう。「また、別の種が土の薄い岩地に落ちた。土が深くなかったので、すぐに芽を出した。しかし、日が上ると、焼けて、根がないために枯れてしまった」(マタ13:5 〜 6)
きょうの祈り
天の父よ。あなたが私のために用意してくださった祝福は、何と素晴らしいものでしょうか。その祝福を体験するためにも、忠実な主のしもべとしての道を歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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