サポートする

出エジプト記14:5 〜 9

5 民の逃げたことがエジプトの王に告げられると、パロとその家臣たちは民についての考えを変えて言った。「われわれはいったい何ということをしたのだ。イスラエルを去らせてしまい、われわれに仕えさせないとは。」

6 そこでパロは戦車を整え、自分でその軍勢を率い、

7 えり抜きの戦車六百とエジプトの全戦車を、それぞれ補佐官をつけてひきいた。

8 【主】がエジプトの王パロの心をかたくなにされたので、パロはイスラエル人を追跡した。しかしイスラエル人はおくすることなく出て行った。

9 それでエジプトは彼らを追跡した。パロの戦車の馬も、騎兵も、軍勢も、ことごとく、バアル・ツェフォンの手前、ピ・ハヒロテで、海辺に宿営している彼らに追いついた。

追跡して来るエジプトの軍勢

パロの心変わり

【主】が預言されたとおりに、パロは考えを変えた。「われわれはいったい何ということをしたのだ。イスラエルを去らせてしまい、われわれに仕えさせないとは」。考えを変えたのは、パロだけではなかった。かつてはイスラエルの民を去らせてくださいとパロに懇願こんがんしていた家臣たちもまた、その考えを変えた。かくも簡単に考えが変わるのは、真の悔い改めに至っていないからである。パロは、奴隷を失うことによる経済的損失を考えた。確かに、エジプトにとって貴重な労働力を失うことになる。
そこでパロは、戦車を整え、自分が先頭に立ってイスラエルの民を追跡した。当時のエジプトは、世界最強の軍隊を誇っていた。彼らは、軽量の戦車(迅速じんそくに移動可能)を所有していた。馬3 頭立て、2 人乗りの戦車がそれである。パロは、えり抜きの戦車600 りょうを先頭に立てて進軍し、その後に多数の戦車が続いた。

パロとイスラエルの民の対比

パロの心は頑なになっている。彼は必死にイスラエルの民を追跡している。そのことを知らないイスラエルの民は、嬉々ききとして移動している。新改訳は、「しかしイスラエル人は臆することなく出て行った」(8 節)と訳しているが、新共同訳は、「イスラエルの人々は、意気揚々いきようようと出て行った」としている。民は、3つの喜びを感じていた。(1)エジプトは彼らに好意を示してくれた。(2)エジプト人から多くのざいを得ることができた。(3)目の前には雲の柱があり、【主】がともにおられることを確信することができた。
しかし、民の予想に反して、エジプト軍が背後から迫って来た。「それでエジプトは彼らを追跡した。パロの戦車の馬も、騎兵も、軍勢も、ことごとく、バアル・ツェフォンの手前、ピ・ハヒロテで、海辺に宿営している彼らに追いついた」。イスラエルの民にとって予想外の展開である。(1)海辺に宿営しているので、逃げ場がない。(2)彼らは、神の導きでその地に宿営するようになったのに、窮地に追い込まれてしまった。
物事がうまく行っている時は、誰でも喜べる。問題は、逆風が吹き始めた時にどういう態度を取るかである。イスラエルの民が置かれた状況を、自分の生活に当てはめてみよう。試練に遭遇そうぐうした時には、神のお許しなしには何一つ起こらないことを思い起こし、忍耐することを学ぼう。時が来れば、必ず、神の栄光を拝するようになる。神は私たちとともにおられる。

きょうの祈り

全知全能の神よ。あなたは私の信仰を試し、育ててくださるお方です。どうか私の信仰がなくならないように、私をお守りください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ヨシュア記3~4、ルカの福音書1