3 モーセは民に言った。「奴隷の家であるエジプトから出て来たこの日を覚えていなさい。【主】が力強い御手で、あなたがたをそこから連れ出されたからである。種を入れたパンを食べてはならない。
4 アビブの月のこの日にあなたがたは出発する。
5 【主】があなたに与えるとあなたの先祖たちに誓われたカナン人、ヘテ人、エモリ人、ヒビ人、エブス人の地、乳と蜜の流れる地に、あなたを連れて行かれるとき、次の儀式をこの月に守りなさい。
6 七日間、あなたは種を入れないパンを食べなければならない。七日目は【主】への祭りである。
7 種を入れないパンを七日間、食べなければならない。あなたのところに種を入れたパンがあってはならない。あなたの領土のどこにおいても、あなたのところにパン種があってはならない。
8 その日、あなたは息子に説明して、『これは、私がエジプトから出て来たとき、【主】が私にしてくださったことのためなのだ』と言いなさい。
9 これをあなたの手の上のしるしとし、またあなたの額の上の記念としなさい。それは【主】のおしえがあなたの口にあるためであり、【主】が力強い御手で、あなたをエジプトから連れ出されたからである。
10 あなたはこのおきてを年々その定められた時に守りなさい。
イスラエル人たちは、約束の地に入ってからも、過越の祭りと7 日間の種入れぬパンの祭りを祝うように命じられた。(1)「この日を覚えていなさい」。この日とは、アビブ(ニサン)の月の15 日であり、過越の食事を食した日、エジプトを出た日である。(2)カナンの地に入ってからも守るべき儀式として、種なしパンの祭り(7 日間)がある。この祭りの期間、イスラエル人の周りにパン種があってはならない。(3)イスラエル人たちは、子どもたちに祭りの意味を教えるように命じられた。(4)さらに、これを手の上のしるしとし、額の上の記念とするようにとも命じられた。「これをあなたの手の上のしるしとし、またあなたの額の上の記念としなさい。それは【主】のおしえがあなたの口にあるためであり、【主】が力強い御手で、あなたをエジプトから連れ出されたからである」。ユダヤ人たちは、この命令を文字通りに理解し、神のことばを額と手に付けることにした。今でも正統派のユダヤ人たちは、額の上と左手の上に小さな黒い小箱をつけて祈る。その小箱の中には、4 つの聖書個所が書かれた小さな巻物が入っている(申11:13 〜 22、6:4〜 9、出13:11 〜 16、13:1 〜 10 がこの順に記されている)。
イエスは、パリサイ人に関してこう言われた。「彼らのしていることはみな、人に見せるためです。経札の幅を広くしたり、衣のふさを長くしたりするのもそうです」。「経札」という言葉は、ヘブル語で「テフィリン」と呼ばれる黒い小箱である。イエスは、これを額と腕に付けること自体に反対されたのではなく、信仰深く見せかけるためにその幅を大きくすることを問題視されたのである。
人にどう思われるかよりも、神からの評価を重視している人こそ、主イエスの真の弟子である。私たちに関しては、真実な心で、神にお従いしようではないか。そのために、日々神のことばに親しもう。これこそ、神の教えを手の上にしるしとし、額の上の記念とすることである。外面的な装いではなく、内面的な真実をもって神にお仕えしようではないか。
きょうの祈り
神さま。この世から受ける評価を気にすることなく、あなただけを恐れて歩むことができますように。きょうも、外面の装いではなく、内面の真実をもってあなたにお仕えすることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
申命記29~30、マタイの福音書27
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