初子の上にある神の所有権

「イスラエル人の間で、最初に生まれる初子はすべて、人であれ家畜であれ、わたしのために聖別せよ。それはわたしのものである」。（1）この聖句によって、神は初子に対する所有権を主張された。その理由は、出エジプトの夜、神がイスラエル人の初子を死から救い出されたからである。（2）この命令は、イスラエル人にだけ適用されるものであって、異邦人には関係がない。（3）「最初に生まれる初子」はすべて聖別される。つまり、【主】のものとされるということである。この規定は、男子（家畜の場合は雄）のみに当てはまる。聖別するとは、「主のために選り分ける、俗的世界から聖なる世界に移し替えること」である。

聖別に関する種々のケース

初子の聖別について、種々のケースが考えられるので、ユダヤ人たちがそれをどう理解しているか見てみよう。（1）最初に生まれたのが女子の場合は、どうすべきか。その子を贖あがなう必要はない。初子とは、男子のことである。（2）女子の次に長男が生まれた場合は、どうすべきか。この場合も、贖う必要はない。なぜなら、この男子は「最初に母の胎を開いた子」（最初に生まれた子）ではないからである。（3）子連れで再婚した女が、その結婚で初子を生んだ場合は、どうか。この場合も、贖う必要はない。その子は、「最初に母の胎を開いた子」ではないからである。（4）1 人の男が数人の妻と結婚し、それぞれの妻が初子を生んだ場合は、どうか。その場合は、すべての妻の初子を贖う必要がある。それらの子は、「最初に母の胎を開いた子」だからである。（5）女と男の双子が誕生した場合は、どうか。その場合は、贖う必要はない。女の子が先に誕生した可能性があるからである。
再度言うが、以上の規定はイスラエル人にのみ適用される。聖別の基本的な意味は、「神のものとされている」ということである、私たちの命は、キリストの命によって贖われた。「あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから自分のからだをもって、神の栄光を現しなさい」（1 コリ6：20）。日々の生活が、神の栄光を現すものとなるように、祈ろう。