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マタイの福音書27:35 ~ 37

35 こうして、イエスを十字架につけてから、彼らはくじを引いて、イエスの着物を分け、

36 そこにすわって、イエスの見張りをした。

37 また、イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王イエスである」と書いた罪状書きをかかげた。

十字架刑

着物をくじで分ける

十字架刑はこの福音書を読んでいる当時の者たちには自明のことであったので、詳しく解説されていないが、その実態は極めて悲惨ひさんなものであった。イエスは前半の3 時間(午前9 時から12 時まで)で、「人間の怒り」を経験する。イエスが十字架につけられたのは午前9 時だが(マコ15:25)、ちょうど同じ時刻に、神殿の丘では「過越の子羊」がほふられていた。この対比により、イエスが過越の小羊となられたのがよく分かる。十字架につけられた瞬間から、関節がはずれ、骨々がばらばらになり、激痛が走る。これは詩篇22:14 の成就である。「私は、水のように注ぎ出され、私の骨々はみな、はずれました。私の心は、ろうのようになり、私の内で溶けました」
罪人の衣服は、死刑を執行した4 人1 組の兵士の取り分となった。当時のユダヤ人男性は、通常5 つの衣を身につけていた。上着、下着、頭巾ずきんサンダル、外套がいとう。兵士たちは、をそれぞれ1 点ずつ手に入れた。問題は、の外套をどうするかである。この外套は、上から下まで全部1 つにった高価なものであった。そこで兵士たちは、それは裂かずに、くじを引いてだれのものにするかを決めた。これは詩篇22:18 の成就である。「彼らは私の着物を互いに分け合い、私の一つの着物を、くじ引きにします」。なお、この外套はギリシア語「キトン」である。新改訳、口語訳、新共同訳はすべてこの言葉を「下着」と訳している(ヨハ19:23)が、「外套」と訳したほうがよいと思われる。

罪状書き

ピラトは、当時の習慣に従って罪状書きを掲げた。十字架には、4 種類のものがあった。I字型、X字型(ペテロがこの十字架に、さかさまにつけられたという伝承がある)、T字型、十字型。最初の2 つは、主にイタリヤ半島で使用されていた。それゆえ、イエスの十字架は、の可能性が大であるが、の可能性は排除される。T字型の十字架では、イエスの頭の上に罪状書きを掲げることができないからである。ピラトは、ヘブル語、ラテン語、ギリシア語で、「ユダヤ人の王ナザレ人イエス」と書いた。ユダヤ人たちは、「彼はユダヤ人の王と自称した、と書いてくれ」と抗議したが、ピラトはそれを無視した。これは彼が示した小さな抵抗である。確かにイエスは、「ユダヤ人の王」である。このお方は、全人類の王として再臨される。今、私たちの王となられたお方を礼拝しようではないか。

きょうの祈り

天の父よ。十字架で苦しまれたイエスこそ、王の王、主の主、人類の救い主です。イエスが私の主であり救い主であることを、人々の前で告白します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記 15~16、詩篇 3~4