19 わたしは、あなたに天の御国のかぎを上げます。何でもあなたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたが地上で解くなら、それは天においても解かれています。」
20 そのとき、イエスは、ご自分がキリストであることをだれにも言ってはならない、と弟子たちを戒められた。
イエスはペテロに、「わたしはあなたに天の御国のかぎを上げます」と約束された。(1)「かぎ」とは、権威を象徴する言葉である(イザ22:22 参照)。つまり、ペテロには天の御国の扉を開く権威が与えられたのである。ここでの「天の御国」は、霊的な意味での御国、つまり、教会のことである。(2)この約束は、「使徒の働き」の中で成就している。ペテロは、ユダヤ人のために(使2 章)、またサマリヤ人のために(使8 章)扉を開いた。サマリヤ人に福音を伝えたのは伝道者ピリポであったが、ペテロがそこを訪問して彼らのために祈った時に、聖霊が下った。つまりペテロは、サマリヤ人信者のために教会の扉を開いたのである。そして最後に、ペテロは異邦人信者のためにも教会の扉を開いた(使9 ~ 10 章)。百人隊長のコルネリオとその家族に聖霊が下ったのは、ペテロがカイザリヤを訪問した時であった。
ペテロは、3 つの民族グループ(ユダヤ人、サマリヤ人、異邦人)のために天の御国の扉を開いた。一度開いた天の御国の扉は、開かれたままである。それゆえ、この権威は後継者に引き継がれるものではない。
(1)「つなぐ」、「解く」という表現は、紀元1 世紀のラビ用語で、使徒的権威を指す言葉である。「つなぐ」とは禁止する、「解く」とは許可する、という意味である。それが刑法的に用いられた場合は、前者が有罪、後者が無罪、という意味になる。(2)イエスは、当時のラビ用語を採用して、ペテロに「つないだり解いたりする権威」を付与された。この権威は、ペンテコステ以降、使徒たち全員に付与されることになる。(3)使徒の働き5 章では、聖霊を欺いた罪でアナニヤとサッピラが死んでいるが、これは、ペテロが使徒的権威を刑法的に用いた例である。(4)使徒たちによっていくつかの書簡が書かれたが、その中で彼らは、新約時代の信者に与えられた行動規範を提示した。つまり、ある行為を禁止し(つなぎ)、ある行為を許可した(解いた)のである。
最近は、「悪霊を縛る」という表現をたびたび耳にするが、この聖句は、「悪霊を縛ること」とは何の関係もない。ユダヤ的背景を知らないと、誤った聖書解釈を採用する危険性がある。今は、信じるすべての人に天の御国の扉が開かれている時代である。救われるためには、信仰以外に必要なものは何もない。神が私たちに啓示して下さった恵みのゆえに、神に感謝しようではないか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。今や教会の扉がすべての人に開かれています。このことを大声で叫び続けることができますように、私に力を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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