13 さて、ピリポ・カイザリヤの地方に行かれたとき、イエスは弟子たちに尋ねて言われた。「人々は人の子をだれだと言っていますか。」
14 彼らは言った。「バプテスマのヨハネだと言う人もあり、エリヤだと言う人もあります。またほかの人たちはエレミヤだとか、また預言者のひとりだとも言っています。」
15 イエスは彼らに言われた。「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。」
16 シモン・ペテロが答えて言った。「あなたは、生ける神の御子キリストです。」
17 するとイエスは、彼に答えて言われた。「バルヨナ・シモン。あなたは幸いです。このことをあなたに明らかに示したのは人間ではなく、天にいますわたしの父です。
この箇所を理解するためには、ピリポ・カイザリヤの地理を知っておく必要がある。(1)ピリポ・カイザリヤは、ヘルモン山の麓に建てられた町で、元の名を「パニアス」と言った。ここは偶像礼拝の町で、偶像神「パン」の宮がヘレニズム時代からあった。(2)ローマ皇帝アウグストからこの町を与えられたヘロデ大王は、そこに皇帝崇拝の神殿を建てた。その後、その子ヘロデ・ピリポが町をローマ風に拡張し、皇帝テベリオに敬意を表して、「ピリポ・カイザリヤ」(ピリポが建設したカイザリヤという意味)と命名した。(3)この町は、切り立った崖(巨大な岩山)を背に立っていた。その崖には巨大な洞窟があり、そこから大量の水が流れ出していた。その流れが、4 つあるヨルダン川の源流の一つバニヤス川となっていた。川底には、大小さまざまな小石が無数に散らばっていた。
このような地形の場所に、イエスは弟子たちを連れて退かれた(町そのものは異邦人の町だったので、イエスがそこに足を踏み入れた可能性は極めて低い)。なんの妨害も入らない場所で弟子たちと交わり、彼らから信仰告白を引き出すためであった。
(1)イエスは、こう質問をされた。「人々は人の子をだれだと言っていますか」。弟子たちは答えた。「バプテスマのヨハネ(死から復活したヨハネ)だと言う人もあり、エリヤ(マラキ書4 章の預言の成就)だと言う人もあります。またほかの人たちはエレミヤ(涙の預言者)だとか、また預言者のひとりだとも言っています」。つまり、人々はイエスが超自然的な権威を持っていることは認めていたが、イエスがメシアであるという理解には至っていなかったのである。(2)次にイエスは、「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか」と問いかけた。「あなたがた」という言葉に強調点がある。ペテロが弟子集団を代表して答えた。「あなたは、生ける神の御子キリストです」。(3)イエスはその告白を大変喜ばれ、「このことをあなたに明らかに示したのは人間ではなく、天にいますわたしの父です」と言われた。
イエスが神の御子キリスト(メシア)であることを信じ、告白している人は、幸いである。私たちは、天の父が示してくださったので、その告白をすることができるようになった。今、自分がいかに祝福されているかを思い、天の父に感謝しよう。また、先に救われた者に与えられている使命について、黙想してみよう。
きょうの祈り
天の父なる神さま。私があなたを選んだのでなく、あなたが私を選んでくださいました。あなたからの召しに忠実に歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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