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マタイの福音書7:15 ~ 20

15 にせ預言者たちに気をつけなさい。彼らは羊のなりをしてやって来るが、うちは貪欲どんよくおおかみです。

16 あなたがたは、実によって彼らを見分けることができます。ぶどうは、いばらからは取れないし、いちじくは、あざみから取れるわけがないでしょう。

17 同様に、良い木はみな良い実を結ぶが、悪い木は悪い実を結びます。

18 良い木が悪い実をならせることはできないし、また、悪い木が良い実をならせることもできません。

19 良い実を結ばない木は、みな切り倒されて、火に投げ込まれます。

20 こういうわけで、あなたがたは、実によって彼らを見分けることができるのです。

2 種類の預言者の対比

偽預言者の出現

山上の説教のまとめとして、イエスは「4 種類の対比」について語っておられる。前回は、「2 つの道の対比」がテーマであったが、今回は、「2 種類の預言者の対比」がテーマである。いのちに至る「狭い門」や「狭い道」を発見しにくいのは、偽りの教えによって真理をゆがめるにせ預言者が存在するからである。
イスラエルの民は、「指導者コンプレックス」を持っていた。つまり、指導者の言いなりになるという特徴で、これは長所であり欠点でもある(ユダヤ人のこの性質は、今もさほど変わっていない)。イスラエルの歴史上、いつの時代にも偽預言者が存在した。(1)モーセは、偽預言者の出現について警告を発した(申13:1~5)。(2)旧約聖書には、【主】の預言者たちが偽預言者たちによって苦しめられた出来事が、いくつも出てくる(エゼ8:1 ~15 参照)。(3)新約聖書では、イエスが偽預言者に注意するように警告を発しておられる。それが、この箇所である。(4)パウロは、エペソの長老たちに向かって、同じ警告を発した。「私が出発したあと、狂暴きょうぼうな狼があなたがたの中に入り込んで来て、群れをらし回ることを、私は知っています。…」(使20:29 ~30)

見分ける方法

(1)偽預言者は、羊の皮をかぶってやって来る。彼らは、自分の欲望に仕える「貪欲な狼」である。しかし、その姿と言葉が限りなく本物に近いので、彼らにまどわされる人たちが多く出る。彼らは、偽りの教えを真理であるかのように語り、多くの人を破滅はめつ堕落だらくの道へと導く。現代でも、偽預言者のような人が存在する。注意しないと、新しい教えやものめずらしい教えに振り回される危険性がある。日々のデボーションによって、霊的洞察力れいてきどうさつりょく(本物と偽物と見分ける目)を神によって養っていただく必要がある。(2)偽預言者を識別しきべつする最高の方法は、その実を見ることである。良い木には良い実がなり、悪い木には悪い実がなる。良い木とは、真の預言者であり、悪い木とは、偽預言者である。偽預言者は、神から退しりぞけられ、滅び去る(ルカ6:43 ~44 参照)。真の預言者が良い実を結ぶ理由は、まことのぶどうの木である主イエスにぎ木され、イエスの内にとどまり続けているからである(ヨハ15:5参照)。
私たちは、すぐに新しい教えに飛びついて、失敗していないだろうか。何を基準に、本物と偽物を見分けようとしているだろうか。霊的洞察力が養われるように、祈り求めようではないか。

きょうの祈り

天の父なる神さま。どうか私に、霊的洞察力を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エゼキエル書24~25、エペソ人への手紙1