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創世記43:15~25

15 そこで、この人たちはおくものたずさえ、それに二倍の銀を持ち、ベニヤミンをともなってエジプトへ下り、ヨセフの前に立った。

16 ヨセフはベニヤミンが彼らといっしょにいるのを見るや、彼の家の管理者に言った。「この人たちを家へ連れて行き、獣をほふり、料理をしなさい。この人たちが昼に、私といっしょに食事をするから。」

17 その人はヨセフが言ったとおりにして、その人々をヨセフの家に連れて行った。

18 ところが、この人たちはヨセフの家に連れて行かれたので恐れた。「われわれが連れ込まれたのは、この前のとき、われわれの袋に返されていたあの銀のためだ。われわれをおとしいれ、われわれを襲い、われわれを奴隷として、われわれのろばもいっしょにらえるためなのだ」と彼らは言った。

19 それで、彼らはヨセフの家の管理者に近づいて、家の入口のところで彼に話しかけて、

20 言った。「失礼ですが、あなたさま。この前のときには、私たちは食糧を買うために下って来ただけです。

21 ところが、宿泊所に着いて、袋をあけました。すると、私たちの銀がそのままそれぞれの袋の口にありました。それで、私たちはそれを返しに持って来ました。

22 また、食糧を買うためには、ほかに銀を私たちは持って来ました。袋の中にだれが私たちの銀を入れたのか、私たちにはわかりません。」

23 彼は答えた。「安心しなさい。恐れることはありません。あなたがたの神、あなたがたの父の神が、あなたがたのために袋の中に宝を入れてくださったのに違いありません。あなたがたの銀は私が受け取りました。」それから彼はシメオンを彼らのところに連れて来た。

24 その人は人々をヨセフの家に連れて行き、水を与えた。彼らは足を洗い、ろばに飼料を与えた。

25 彼らはヨセフが昼に帰って来るまでに、贈り物を用意しておいた。それは自分たちがそこで食事をすることになっているのを聞いたからである。

ヨセフの邸宅への招待

ヨセフの前に立つ兄たち

兄たちは、父が命じた贈り物を携え、2 倍の銀を持ち、ベニヤミンを伴って、エジプトの宰相であるヨセフの前に立った。これで、ヨセフが要求していた条件が満たされた。(1)ヨセフは、ベニヤミンが兄弟たちと共にいるのを見て、家の管理者に命じて彼らを自分の邸宅ていたくに招いた(兄たちをもてなすためであるが、特にベニヤミンに親切にするためである)。(2)管理者は、彼らのために宴会の準備をした。この時代のエジプトでは、昼食が一日の中心的な食事である。ヨセフは、兄弟たちと昼食を共にしようとしているのである。

恐れる兄たち

罪人は、善意を悪く解釈するものである。彼らは、自分たちの袋に返されていた銀のことで追求され、奴隷に売られるのではないかと恐れた。「奴隷に売る」とは、かつて自分たちがヨセフに対して行ったことである。彼らは、家の入口のところで弁明した。家の中に入ったら大変なことになるという判断が働いていたのである。(1)自分たちは、袋に入っていた銀を返しに来た。また、新しく食糧を買うための銀も2 倍持って来た。自分たちには、だれが銀を袋の中に入れたのか分からない。(2)管理者は、「安心しなさい」(シャローム・ラヘム)と言い、すでに清算は終わっていると説明した(代金はヨセフがはらっていた)。袋の中に宝が入っていたのは、神の摂理せつりの故だというのである(神がヨセフにそのようにさせたという意味である)。(3)管理者は、彼らを安心させるために、シメオンをそこに連れて来た。兄弟たちには、まだ真実は見えていなかったが、彼らは、一連の出来事の中に神の介入を感じたに違いない。(4)家に入ると、足を洗うための水が与えられた。最上級のもてなしである。さらに、長旅で疲れたろばには、飼料が与えられた。(5)彼らは、昼食を宰相と共にすると聞かされたので、贈り物を用意しておいた。
兄たちが家の入口で感じた恐れは、私たちが天国の門の前に立つ時に感じる恐れと同じである。私たちもまた、自らの人生の清算が終わっていないような思いになり、不安が心をよぎるのではないだろうか。その時、「あなたの罪の代価は支払われた」という主イエスの声を聞く人は幸いである。主イエスは、十字架の上で私たちのために代価を払ってくださった。「あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから自分のからだをもって、神の栄光を現しなさい」(1コリ6:20。1 テモ2:6 参照)

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。私の罪の代価はすでに支払われました。私は平安の内に、天国の門をくぐることができます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

列王記第二7~8、箴言24