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創世記22:7~10

7 イサクは父アブラハムに話しかけて言った。「お父さん。」すると彼は、「何だ。イサク」と答えた。イサクは尋ねた。「火とたきぎはありますが、全焼のいけにえのための羊は、どこにあるのですか。」

8 アブラハムは答えた。「イサク。神ご自身が全焼のいけにえの羊を備えてくださるのだ。」こうしてふたりはいっしょに歩き続けた。

9 ふたりは神がアブラハムに告げられた場所に着き、アブラハムはその所に祭壇さいだんきずいた。そうしてたきぎを並べ、自分の子イサクをしばり、祭壇の上のたきぎの上に置いた。

10 アブラハムは手を伸ばし、刀を取って自分の子をほふろうとした。

イサクの縛り

親子の対話

山を上って行くアブラハムとイサクの対話に注目しよう。(1)「火とたきぎはありますが、全焼のいけにえのための羊は、どこにあるのですか」。これは、当然の質問である。この時点では、イサクは自分が全焼のいけにえになることをまだ知らないのである。(2)「神ご自身が全焼のいけにえの羊を備えてくださるのだ」。これは、アブラハムの精いっぱいの答えである。子を思う父の切ない思いが伝わってくる。(3)イサクは、それ以上は尋ねようとはしなかった。父を信頼したからである。私たちは、2 人のこの対話をどう読み、何を学ぶべきなのか。神のことばに信頼するなら、それ以上は尋ねなくてもよいことがある。

ほふる準備

「ふたりは神がアブラハムに告げられた場所に着き、アブラハムはその所に祭壇を築いた。そうしてたきぎを並べ、自分の子イサクを縛り、祭壇の上のたきぎの上に置いた」。(1)アブラハムが祭壇を築いた場所に、後にソロモンが神殿を建てる。それが第一神殿と呼ばれるものである。バビロン捕囚から帰還して以降、第二神殿が同じ場所に建つ。イエス時代に建っていた神殿は、この第二神殿がヘロデ大王によって拡張かくちょうされたものである。(2)アブラハムはその祭壇の上にたきぎを並べた。息子を全焼のいけにえとしてささげるためである。(3)次に彼は、イサクを縛り、祭壇の上のたきぎの上に置いた。ユダヤ教のラビたちは、この文(9 節)の中に出てくる「縛った」という動詞に着目した。創世記の「イサク奉献」の箇所は、ユダヤ教では「アケイダー」(縛り)と呼ばれている。この箇所は、ユダヤ教では、ロシュ・ハシャナ(新年の祭り)に朗読されることになっている。(4)イサクは、すでに30 代になっていたので、父に抵抗する力はそなわっていた。しかし彼は、縛られても抵抗することなく、父に従順に従った。父の信仰に信頼を置き、父の愛を疑わなかったからである。(5)「アブラハムは手を伸ばし、刀を取って自分の子をほふろうとした」。ついに、その時がやって来た。ここには、神に信頼して自分の息子をほふろうとする父と、父の愛に信頼して自らを祭壇の上に投げ出す息子の姿がある。アブラハムは、この行為によって、その信仰が本物であることを証明したのである。
私たちは、アブラハムとイサクの行為から、どういう教訓を学ぶことができるのか。人生最大の窮地きゅうちに立たされても、神を信頼し続ける人は幸いである。神は最善以外のことはなさらないからである。

きょうの祈り

アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。今私は、私にとってのイサクがなんであるかを探られています。イサクをささげる信仰を、私にお与えください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

レビ記12 ~ 13、詩篇15~16

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