9 ついで、神はアブラハムに仰せられた。「あなたは、あなたの後のあなたの子孫とともに、代々にわたり、わたしの契約を守らなければならない。
10 次のことが、わたしとあなたがたと、またあなたの後のあなたの子孫との間で、あなたがたが守るべきわたしの契約である。あなたがたの中のすべての男子は割礼を受けなさい。
11 あなたがたは、あなたがたの包皮の肉を切り捨てなさい。それが、わたしとあなたがたの間の契約のしるしである。
12 あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に、割礼を受けなければならない。家で生まれたしもべも、外国人から金で買い取られたあなたの子孫ではない者も。
13 あなたの家で生まれたしもべも、あなたが金で買い取った者も、必ず割礼を受けなければならない。わたしの契約は、永遠の契約として、あなたがたの肉の上にしるされなければならない。
14 包皮の肉を切り捨てられていない無割礼の男、そのような者は、その民から断ち切られなければならない。わたしの契約を破ったのである。」
ユダヤ人の男性は、今もその身に割礼を帯びている。その起源は、創世記17 章にある。アブラハム契約は、無条件契約である。その契約を受けた者には、愛の応答が期待されている。その応答がなくても、契約が破棄されることはないが、神はアブラハムとその子孫が従順に応答することを願われた。これは、新約時代のクリスチャン生活と似ている。私たちは、信仰により、恵みによって救われた。これは、主イエスの十字架による無条件の救いである。しかし、救われた者には愛の応答が期待されている。
アブラハム契約は無条件契約である。神は、一方的な恵みによってアブラハムとその子孫を祝福された。アブラハムにとっては、割礼は神への応答を表す行為である。このことを自分の信仰生活に適用してみよう。クリスチャン生活が苦しくなる時、そこには律法的な要素がまぎれ込んでいることが多い。律法的に生活を律する前に、まず人格的に神の愛に応答することを学ぼうではないか。
割礼は、アブラハム契約の「しるし」である。割礼の習慣は、ユダヤ人以外の民族の間にもある。アブラハム以前から、エジプト人は割礼を行っていた。アブラハム以降では、アラブ人、エドム人、モアブ人、アモン人などがそれを行うようになる(エレ9:25 ~26)。では、アブラハムの割礼のユニークさはどこにあるのか。(1)これは、アブラハム契約の「しるし」である。割礼では血が流されるが、そのことによって、アブラハム契約が血の契約であることが確認される。(2)割礼を行うタイミングは、生れて8 日目である。(3)割礼を受けるのは男子のみで、女子の割礼は除外されている。(4)非ユダヤ人の奴隷にも、割礼によって契約に加えられる道が開かれた。(5)割礼を受けないことは、契約違反を意味した。出エジプト4:24 ~26 には、モーセが息子に割礼を授けていなかったので、神の裁きを招きそうになった出来事が記されている。
今でも、ユダヤ人たちは割礼を実行している。この点については、メシアニックジューも同じである。割礼は、モーセの律法が与えられる前に、アブラハム契約のしるしとして与えられた。ユダヤ人たちは、割礼の跡を見るたびに、自分たちがアブラハム契約を受けた民であることを思い起こすのである。私たちの神は、契約を守られる神である。主イエスの十字架によって完全に救われたとの確信を持つ時、感謝の応答こそクリスチャン生活の鍵であることが分かるようになる。
きょうの祈り
アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。私は、心に割礼を受けた者です。きょうも、感謝の応答を実行する者とならせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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