12 日が沈みかかったころ、深い眠りがアブラムを襲った。そして見よ。ひどい暗黒の恐怖が彼を襲った。
13 そこで、アブラムに仰せがあった。「あなたはこの事をよく知っていなさい。あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。
14 しかし、彼らの仕えるその国民を、わたしがさばき、その後、彼らは多くの財産を持って、そこから出て来るようになる。
15 あなた自身は、平安のうちに、あなたの先祖のもとに行き、長寿を全うして葬られよう。
16 そして、四代目の者たちが、ここに戻って来る。それはエモリ人の咎が、そのときまでに満ちることはないからである。」
アブラハム契約が締結される前に、神はアブラムに、彼の子孫の運命について預言される。(1)「日が沈みかかったころ」(12 節)とある。創世記15:5 以降、丸1 日が経過したことが分かる。(2)アブラムは、「深い眠り」に陥った。これは、通常の眠りではなく、幻を見るための眠りである。その証拠に、アブラムには意識がある。これと似たような眠りが、創世記2:21 に出ていた。「神である主は深い眠りをその人に下されたので、彼は眠った。そして、彼のあばら骨の一つを取り、そのところの肉をふさがれた」。(3)その時、「ひどい暗黒の恐怖が彼を襲った」。このことばからも、アブラムには意識があったことが分かる。
(1)神は、エジプトでの奴隷生活の預言を与えた。奴隷になる期間は、400 年間である。(2)しかし神は、エジプトを裁かれる(14 節)。これは、アブラハム契約の条項の1 つである。イスラエル人を呪った者には、同じ種類の呪いが下る。(3)アブラム個人には、平安の約束が与えられた。「あなた自身は平安のうちに、あなたの先祖のもとに行き、長寿を全うして葬られよう」(15 節)。「先祖のもとに行き」とあるが、これは、アブラムの魂が先祖のもとに行くということである。その行き先は、シオール(死者の行く所。地球の中心にあるとされる)である。旧約聖書の中にも、死後のいのちの約束と希望が記されている。(4)子孫がカナンの地に帰還することが約束された(16 節)。「四代目の者たち」とある。1 代は必ずしも40 年ではない。20 年、60 年、80 年のこともある。ここでは、1 代が100 年となっている。(5)なぜイスラエルの民は、それほど長くエジプトに滞在せねばならないのだろうか。その理由は、「それはエモリ人の咎が、そのときまでに満ちることはないからである」というものである。このことばから、ヨシュアによるカナンの地の征服には、神の裁きの側面があることが分かる。滅ぼされるエモリ人たちに、申し開きをする余地はない。神の恵みは、彼らに十分に与えられたのだから。
神は、手当たり次第に罪人を罰する暴君ではない。裁きに至る過程において、神の恵みは存分に示されているのである。神は私たちの過去、現在、未来をすべてご存知である。人間の目には不公平に見えたり、不条理に感じたりすることも、最終的には完全につじつまが合う。私たちに関しては、自分に与えられた責務を忠実に果たそうではないか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。思い煩いをすべて御手にゆだねます。きょうなすべきことをすべて行うことができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
創世記 41~42、マルコの福音書 15
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