7 また彼に仰せられた。「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデヤ人のウルからあなたを連れ出した【主】である。」
8 彼は申し上げた。「神、主よ。それが私の所有であることを、どのようにして知ることができましょうか。」
9 すると彼に仰せられた。「わたしのところに、三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山鳩とそのひなを持って来なさい。」
10 彼はそれら全部を持って来て、それらを真っ二つに切り裂き、その半分を互いに向かい合わせにした。しかし、鳥は切り裂かなかった。
11 猛禽がその死体の上に降りて来たので、アブラムはそれらを追い払った。
いよいよアブラハム契約が正式に締結される。(1)7 節は、アブラハム契約の「前書き」に当たる。「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデヤ人のウルからあなたを連れ出した【主】である」。同じ形式が、出エジプト20:2 にも見られる。【主】とは、「ヤハウェ」(4 文字)という聖なる御名の訳語で、契約を守る神という側面を強調したものである。(2)アブラハム契約は、創世記12 章、13 章で何度か出てきたが、15 章で正式な締結となる。その契約を結ばれる方が、「ヤハウェ」である。(3)「この地をあなたの所有としてあなたに与える」という約束を聞いて、アブラムは、こう応答した。「神、主よ。それが私の所有であることを、どのようにして知ることができましょうか」。彼は、子孫が罪を犯したなら、約束の地を失うことになるのではないかと恐れたのである。つまり彼は、この契約が無条件契約であることの確認を求めたのだ。
神は、「わたしのところに、三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山鳩とそのひなを持って来なさい」と言われた。(1)通常は、1 匹の家畜を犠牲にするのだが、ここでは、5 種類の動物が要求されている。これは、この契約の厳粛さと重要性を示すものである。(2)これは血の契約である。血の契約は、いろいろな契約の中で最も厳粛な契約である。動物を切り裂き、それを両側に並べ、当事者がその間を歩くと契約の締結となる。これは、もし違反したなら命をもって償うという契約である。(3)アブラムは、神の命令に従順に従った。「彼はそれら全部を持って来て、それらを真っ二つに切り裂き、その半分を互いに向かい合わせにした。しかし、鳥は切り裂かなかった」。(4)猛禽が死体の上に降りて来たので、アブラムはそれらを追い払った。そこには不吉な予感が漂っているが、その予感通りに、契約の内容には、1 つ不吉な要素が含まれていた。アブラムの子孫はエジプトで奴隷となるというのが、それである。
イエス・キリストによる新しい契約もまた血の契約である。「夕食の後、杯をも同じようにして言われました。『この杯は、わたしの血による新しい契約です。これを飲むたびに、わたしを覚えて、これを行いなさい』」(1 コリ11:25)。イエス・キリストを信じるとは、血の契約にサインをしたということである。御子イエスが十字架上で流された血潮の尊さを思い、感謝と賛美をささげようではないか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。主イエスの血の犠牲のゆえに、私はあなたの前に出ることができるようになりました。感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
創世記 39~40、マルコの福音書 14
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