18 そこで、アブラムは天幕を移して、ヘブロンにあるマムレの樫の木のそばに来て住んだ。そして、そこに【主】のための祭壇を築いた。
「そこで、アブラムは天幕を移して、ヘブロンにあるマムレの樫の木のそばに来て住んだ。そして、そこに【主】のための祭壇を築いた」(18 節)。アブラムは、依然として天幕生活をする遊牧民である。土地の所有は、彼にとっては夢であり悲願である。しかし彼は、カナンの地が与えられるという約束と、天幕生活に甘んじるという現実の狭間で生きたのである。信仰者の生活は、いつもそのような緊張関係の中で営まれている。
(1)ロトと別れたアブラムは、ヘブロンにあるマムレの樫の木のそばに来て住んだ。創世記12:6 には、「シェケムの場、モレの樫の木のところ」とあった。そこは、偶像礼拝の中心地であった。それと同じように、「マムレの樫の木のそば」もまた、偶像礼拝の場である。「マムレ」とは、その土地の所有者であるエモリ人の名前である(創14:13)。(2)ヘブロンは、海抜930 メートルの高さにあるユダの山地南部の最重要地点である。アブラムは、そこに祭壇を築いた。その行為によって、ヘブロンが偶像の支配下にあるのではなく、神の臨在の下にあることを宣言したのである。これは、先取りした所有権の宣言である(これは、創12:6 に続いて2 度目のヘブロンでの祭壇建設である)。(3)アブラムの生涯で、ヘブロンは重要な意味を持つ地となった。彼はここで、ソドムのためにとりなしをするようになる(創18 章)。さらに、ここでマクペラの墓地を購入するようになる(創23:17~19)。
ヨシュア記14:15 には、「ヘブロンの名は、以前はキルヤテ・アルバであった。アルバというのは、アナク人の中の最も偉大な人物であった。そして、その地に戦争はやんだ」とある。(1)キルヤテ・アルバとは、「アルバの町」、あるいは「4 人の町」という意味である。それがヘブロンという名に変わった。(2)ヘブロンという言葉は、ヘブル語の友人「ハベル」から出ている言葉である。この町に、アブラムにちなんで新しい名が付けられたのである(アブラムは、神の友と呼ばれた)。(3)くり返しになるが、彼は偶像礼拝の中心地に真の神の祭壇を築いた。それによって、その地に対する所有権を宣言したのである。ここに、私たちへの教訓がある。偶像礼拝が蔓延する国にあって、真の神を礼拝する私たちは少数派だが、祈りの祭壇を築くことによって、先取りした所有権を主張しようではないか。神はこの国を愛しておられる。
きょうの祈り
天地創造の神よ。あなただけが私たちの神です。祖国においてあなたの御名がたたえられますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
創世記 27~28、マルコの福音書 10
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