5 アブラムといっしょに行ったロトもまた、羊の群れや牛の群れ、天幕を所有していた。
6 その地は彼らがいっしょに住むのに十分ではなかった。彼らの持ち物が多すぎたので、彼らがいっしょに住むことができなかったのである。
7 そのうえ、アブラムの家畜の牧者たちとロトの家畜の牧者たちとの間に、争いが起こった。またそのころ、その地にはカナン人とペリジ人が住んでいた。
8 そこで、アブラムはロトに言った。「どうか私とあなたとの間、また私の牧者たちとあなたの牧者たちとの間に、争いがないようにしてくれ。私たちは、親類同士なのだから。
9 全地はあなたの前にあるではないか。私から別れてくれないか。もしあなたが左に行けば、私は右に行こう。もしあなたが右に行けば、私は左に行こう。」
「アブラムといっしょに行ったロトもまた、羊の群れや牛の群れ、天幕を所有していた」(5 節)。アブラムとともにエジプトに下ったロトも、裕福になっていた。彼は、羊の群れや牛の群れ、それに天幕を所有していた。「天幕を所有していた」とは、彼が大勢の奴隷を所有していたという意味である。ロトが物質的に祝福されたのは、アブラムとの関係のゆえである(これもアブラハム契約の条項の1 つである)。アブラムとロトは、ともに裕福になってエジプトを出た。富を得ることは、必ずしも幸いとは言えない。時には不幸な結果をもたらすこともある。
(1)アブラムとロトは平和的な関係を維持していたが、お互いの牧者同士の間に争いが起こった。それぞれの牧者たちが、主人の利益を守るために争ったのである。(2)紛争の直接的原因は、家畜を飼う土地が狭すぎたことにある。当時、カナンの地には多くの都市国家が存在していた。そのため、アブラムとロトが遊牧のために移動できる地域は限定されていた。(3)その地には、カナン人とペリジ人が住んでいた。カナン人とは、この地に住む人々の総称であり、ペリジ人とは、カナン人の中の1 つの民族のことである。
「そこで、アブラムはロトに言った。『どうか私とあなたとの間、また私の牧者たちとあなたの牧者たちとの間に、争いがないようにしてくれ。私たちは、親類同士なのだから』」(8 節)。(1)アブラムの信仰は、エジプトでの失敗を通して成長していた。彼は富を所有していたが、富には所有されていなかった。どの地を選ぶかの選択権はアブラムにあったが、彼は、その権利をロトに譲った(ロトは、アブラムの甥に当たる)。アブラムはロトに、「全地はあなたの前にあるではないか」と問いかけ、「私から分かれてくれないか。もしあなたが左に行けば、私は右に行こう。もしあなたが右に行けば、私は左に行こう」(9 節)と提案した。アブラムは、信仰によって物の束縛からは解放されていたのだ。(2)ロトはそうではなかった。彼は富を所有していたが、富もまたロトを所有していたのである。そのことが、次に彼が取る行動によって明らかになる(彼は一番良い地を選ぶことになる)。
神から富を委ねられている人は、それをどのように用いるかについて熟考する必要がある。富に支配されるのではなく、富を支配し、それを用いて神の栄光を現す人になるべきである。神と富の両方に仕えることは不可能である。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。私の心が、富によって支配されることのないように、私をお守りください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
創世記 21~22、マルコの福音書 7
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