13 そこで、神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている。
14 あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とを木のやにで塗りなさい。
15 それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト。その幅は五十キュビト。その高さは三十キュビト。
16 箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内にそれを仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階にそれを作りなさい。
創世記の中で、神はノアに7 回語りかけているが、ノアが神に対してどのように返事をしたかは記録されていない。記録の必要がないくらいに、ノアは神に従順に歩んだのである。ノアの物語を読むことは、自らの歩みを振り返る機会ともなる。
(1)神は、「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている」(13 節)と言われた。創世記6:3 では、「人の齢は、120 年にしよう」と語られていたが、13 節の時点では、その120 年が満ちたか、あるいは、これから120 年が始まるかのいずれかである。後者であるとするなら、その120 年は、ノアが食物を用意し、動物を集めるために必要な時間となる。(2)さらに神は、「地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ」(13 節)と言われた。これが、洪水が起こる理由である。
神は、「あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とを木のやにで塗りなさい」(14 節)と言われた。(1)箱舟は、原語では「テイバー」であるが、これはヘブル語ではなく、エジプトの言葉からの借用である。その意味は、船ではなく箱である。(2)「テイバー」という言葉は、出エジプト記2:3 ~6 にも出てくる。赤子のモーセが入れられたかごがそれである。テイバー=箱舟=かご。(3)ノアの箱舟とモーセのかごには、類似点がある。溺死から守られた者には、他の人に救いをもたらす使命があるという点が似ている。ノアは、人類に救いをもたらす器となり、モーセは、イスラエルに解放をもたらす器となった。
箱舟の材料となったゴフェルの木がどのようなものなのか、今では分からなくなっている。箱舟には、動物が入るための部屋が作られた。さらに、防水機能を持たせるために、箱舟の内と外に「木のやに」が塗られた。新改訳で「木のやに」と訳された言葉が、口語訳では「アスファルト」、新共同訳では「タール」と訳されている。原語は「カファー」で、タールという言葉ではない。「カファー」の意味は、「覆い」、「贖い」などである。これを箱舟の外に塗ったために、箱舟は沈まないようになった。
私たちは、イエスの血潮によって「罪が覆われ」、滅びから贖い出された。イエスの十字架は、私たちを永遠の滅びから救うための「箱舟」である。今、主イエスの犠牲を思い起こし、神に感謝の祈りをささげようではないか。滅びから救われた者には、他の人に救いを届ける使命がある。
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