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創世記4:1〜2

1 人は、その妻エバを知った。彼女はみごもってカインを産み、「私は、【主】によってひとりの男子を得た」と言った。

2 彼女は、それからまた、弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。

カインとアベルの誕生

カインの誕生

 「人は、その妻エバを知った。彼女はみごもってカインを産み、『私は、主によってひとりの男子を得た』と言った」(1節)。(1)「知る」というのは、体験的に知るということで、ここでは「性的関係」を意味している。夫婦の肉体関係は、2人の者が肉体的、霊的、社会的にひとつになることである。これ以上親密な関係は地上には存在しない。それゆえ神は、この関係を結婚という制度の中だけのものとされた。(2)長男を産んだ時、エバは「私は、主によってひとりの男子を得た」と言った。ほとんどの聖書の訳が「主によって(主の助けによって)」となっているが、ヘブル語の原文を直訳すると、「私は男子を得た、ヤハウェ(主)を」となる。エバは、創世記3:15の約束を理解していたのである。それは、「女の子孫」が救い主として誕生するという約束(預言)である。エバは、カインこそが「女の子孫」(救い主)だと考え、その誕生を大いに喜んだのである。

アベルの誕生

 「彼女は、それからまた、弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった」(2節)。(1)「アベル」とはヘブル語で「ハベル」で、その意味は、「はかなさ、むなしさ、空虚くうきょ、息」などである(ヨブ7:16、詩144:4参照)。次男がアベルという名になったのは、この段階で罪の影響が深まり、アダムとエバがそれを実感するようなったからであろう。つまり、カインは「女の子孫」でないことが明らかになったということである。(2)アベルは、羊を飼う者となった。つまり、牧畜である。彼は、家畜からミルクや衣服を取り、またそれを犠牲の動物として用いるようになった。一方、兄のカインは、父アダムの職業にならって農夫となった。(3)エデンの園では、生活に必要なものはすべて備えられていたが、堕落後は生活のために労苦しなければならなくなった。これは、アダム契約で宣言された「呪い」の一部である。
 エバはカインの誕生を喜んだが、やがてそのカインは最初の殺人者となる。エバの失望はいかばかりであったことか。人に信頼する者は、いつか失望させられる。この真理は、創世記の時代から変わっていない。自分が何に信頼を置いて生きているか、吟味してみよう。生活のじくがしっかりしているなら、隣人を助けることができる人になることができる。「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる」(詩37:5)。

きょうの祈り

天の父なる神さま。人にではなく、あなたに信頼を置きます。どうか私を、キリストにある成人として立たせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ネヘミヤ記3~4、ヨハネの手紙 第一3