偶像礼拝の罪（3 〜4 節）

　前回の箇所でモーセは、神の律法に従うことが命に至る道であると教えた。その真理をさらに説明するために、彼は、悲しむべき出来事（バアル・ペオル事件）を回顧する。「あなたがたは、【主】がバアル・ペオルのことでなさったことを自分の目で見た。バアル・ペオルに従った者すべてを、あなたの神、【主】はあなたのうちから根絶やしにされたのである。しかし、あなたがたの神、【主】にすがってきたあなたがたはみな、今日生きている」。（1）この出来事は、民数記25：1〜9 に記されている（詩106：28〜29、ホセ9：10 でも取り上げられている）。これは、イスラエルの民の歴史の中の汚点の一つである。（2）この事件は、モアブの野で起こった。イスラエルの民は、モアブ人の女に誘惑され、霊的にも肉体的にも姦淫かんいんを犯した。その結果、24,000 人が死んだ。（3）しかし、【主】につき従った者は生きた。この事件は、イスラエルの民にとって大いなる教訓となった。

選びの民イスラエル（5 〜8 節）

　律法が与えられた目的は、それによって生きるためであるが、それ以外の理由もある。神の律法を持った民は、道徳的、倫理的に、他の民族とは区別されるユニークな民となる。その結果、諸国民に神を示し、彼らを信仰の道に導くことができるようになる。
　「見なさい。私は、私の神、【主】が私に命じられたとおりに掟と定めをあなたがたに教えた。あなたがたが入って行き、所有しようとしているその地の真ん中で、そのとおりに行うためである。これを守り行いなさい。そうすれば、それは諸国の民にあなたがたの知恵と悟りを示すことになり、彼らはこれらすべての掟を聞いて、『この偉大な国民は確かに知恵と悟りのある民だ』と言うであろう。･･･」。イスラエルの民が【主】の律法に従って生きるなら、地上の諸国はイスラエルについて次のように考えることになる。①イスラエルは、知恵と悟りを持った偉大な国民である。②イスラエルは、【主】なる神がそばにいて守っておられる偉大な国民である。③イスラエルは、正しい掟と定めを持っている偉大な国民である。
　私たちクリスチャンは、どのような民として世の人たちに知られているだろうか。この世は私たちを憎むが、私たちがみことばに従い続けるなら、キリストに目を向ける人たちが必ず起こされる。私たちは、世の光、地の塩である。