29 さて、ヤコブが煮物を煮ているとき、エサウが飢え疲れて野から帰って来た。
30 エサウはヤコブに言った。「どうか、その赤いのを、そこの赤い物を私に食べさせてくれ。私は飢え疲れているのだから。」それゆえ、彼の名はエドムと呼ばれた。
31 するとヤコブは、「今すぐ、あなたの長子の権利を私に売りなさい」と言った。
32 エサウは、「見てくれ。死にそうなのだ。長子の権利など、今の私に何になろう」と言った。
33 それでヤコブは、「まず、私に誓いなさい」と言ったので、エサウはヤコブに誓った。こうして彼の長子の権利をヤコブに売った。
34 ヤコブはエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えたので、エサウは食べたり、飲んだりして、立ち去った。こうしてエサウは長子の権利を軽蔑したのである。
(1)ヤコブが煮物を煮ているとき、エサウが飢え疲れて野から帰ってきた。彼は非常に疲れていたが、死ぬほどの状態ではなかった。彼は、煮物を見ると、「どうか、その赤いのを、そこの赤い物を私に食べさせてくれ。私は飢え疲れているのだから」と言った。「食べさせてくれ」という動詞は、「グイグイ飲む」、「あおる」といった意味である。彼の動物的な食欲が暗示されている。(2)エサウは「煮物」という言葉は使わずに、「赤いのを、そこの赤い物を」と言っている。ヘブル12:16 は、彼に関して「俗悪な者」という評価を下している。(3)このエピソードのゆえに、彼は「エドム(赤)」と呼ばれるようになった。そして、その子孫たちは先祖の性質を引き継ぐことになる。
「するとヤコブは、『今すぐ、あなたの長子の権利を私に売りなさい』と言った」。(1)ヌジ文書では、長子の権利は売買可能であった。(2)長子の権利の内容を分解すると、以下の4 つになる。① 物質的祝福(2 倍の分け前。申21:17)、② 霊的祝福(祭祀を仕切る権利)、③ メシアの系図に連なるという祝福(アブラハム契約に基づく長子の権利)、④ 土地の所有。(3)「エサウは、『見てくれ。死にそうなのだ。長子の権利など、今の私に何になろう』と言った」。彼は、自分の状態を誇張している。また、彼には霊的祝福への興味がなかった。(4)「それでヤコブは、『まず、私に誓いなさい』と言ったので、エサウはヤコブに誓った。こうして彼の長子の権利をヤコブに売った」。この取引は、「誓い」によって法的に有効なものとなった。(5)「ヤコブはエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えたので、エサウは食べたり、飲んだりして、立ち去った。こうしてエサウは長子の権利を軽蔑したのである」。ヤコブは長子の権利のための代価を払い、エサウはそれを受け取った。この取引に関して、ヤコブが不正を働いたという表現は、どこにもない。むしろ聖書は、エサウの非を責めている。「エサウは長子の権利を軽蔑した」。「軽蔑した」とは、価値のないものとして扱ったということである。エサウには、神の御心をキャッチする感受性がなかった。
私たちはどうか。ヘブル12:16 ~17 は、「エサウのような俗悪な者がないようにしなさい」と教えている。自分が何を第一にしているのか、吟味してみよう。霊的感受性は、みことばの学びと継続した祈りによって育つものである。
きょうの祈り
アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。どうか霊的な祝福を第一として歩むことができますように、私を助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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民数記35~36、マタイの福音書16
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