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使徒の働き15:6 ~ 12

6 そこで使徒たちと長老たちは、この問題を検討するために集まった。

7 激しい論争があって後、ペテロが立ち上がって言った。「兄弟たち。ご存じのとおり、神は初めのころ、あなたがたの間で事をお決めになり、異邦人が私の口から福音のことばを聞いて信じるようにされたのです。

8 そして、人の心の中を知っておられる神は、私たちに与えられたと同じように異邦人にも聖霊を与えて、彼らのためにあかしをし、

9 私たちと彼らとに何の差別もつけず、彼らの心を信仰によってきよめてくださったのです。

10 それなのに、なぜ、今あなたがたは、私たちの父祖たちも私たちも負いきれなかったくびきを、あの弟子たちの首に掛けて、神を試みようとするのです。

11 私たちが主イエスの恵みによって救われたことを私たちは信じますが、あの人たちもそうなのです。」

12 すると、全会衆は沈黙してしまった。そして、バルナバとパウロが、彼らを通して神が異邦人の間で行われたしるしと不思議なわざについて話すのに、耳を傾けた。

エルサレム会議(5)

ペテロの発言(7 ~ 9 節)

双方が自分の意見を述べ合って後、ペテロが立ち上がってこう言った。「兄弟たち。ご存じのとおり、神は初めのころ、あなたがたの間で事をお決めになり、異邦人が私の口から福音のことばを聞いて信じるようにされたのです」。(1)議論が一段落すると、ペテロが立ち上がった。ここまでペテロが発言を控えていたのは、奇跡的なことである。彼は、最初から結論が決まっていたというような印象を与えたくなかったのである。(2)ペテロは、コルネリオの救いについて話し始めた。この話は、出席していた人たち全員が知っていたことである。かつて、コルネリオの救いについて、エルサレム教会内に大きな議論があった(使10241118)。この時にペテロを批判したのもまた、ユダヤ主義者たちであった。(3)ペテロの話のポイントは、こうである。異邦人の救いは神から出たことである。そのために、私(ペテロ)が用いられた。ペテロには、御国の鍵が与えられたという自覚があった。異邦人の救いは、アンテオケ教会から出たアイデアではない。それは、エルサレム教会のリーダーであるペテロを通して実現したものである。「初めのころ」とあるのは、異邦人の救いが今に始まったことではないことを示している。コルネリオの救いは、約10 年前に起こったことである。
「そして、人の心の中を知っておられる神は、私たちに与えられたと同じように異邦人にも聖霊を与えて、彼らのためにあかしをし、 私たちと彼らとに何の差別もつけず、彼らの心を信仰によってきよめてくださったのです」。(1)神は、人の心の中を知っておられる。神が人を救う時、その判断には誤りがない。(2)神が人を救ったというしるしは、聖霊のバプテスマである。聖霊のバプテスマは、使徒2 章でユダヤ人信者に、使徒8 章でサマリア人信者に与えられた。それと同じように、異邦人たちも異言を伴う聖霊のバプテスマを体験した(使104446a)。(3)聖霊の内住は、神の子とされていることのしるしである。これは、パウロの教えと合致している(ガラ4:6、ロマ8:9)。(4)恵みと信仰による救いは、ユダヤ人であっても異邦人であっても変わらない。ユダヤ人と異邦人の間に何の差別(分け隔て)もない。
異邦人たちは、儀式ではなく、信仰によってきよめられた。主イエスを救い主と信じた私たちは、完全に救われている。神の御名を称えようではないか。

きょうの祈り

天の父なる神さま。救いは恵みと信仰のみによります。イエスにあって、完全に救われていることを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

歴代誌 第一8~9、ヨハネの黙示録2