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使徒の働き12:18 ~ 19

18 さて、朝になると、ペテロはどうなったのかと、兵士たちの間に大騒ぎが起こった。

19 ヘロデは彼をさがしたが見つけることができないので、番兵たちを取り調べ、彼らを処刑するように命じ、そして、ユダヤからカイザリヤに下って行って、そこに滞在した。

番兵たちの処刑

責任を追求される番兵たち

前回の箇所で、ペテロは超自然的に牢から救出された。これから、ヘロデ・アグリッパのその後がどうなったのかを見てみよう。「種をけば、その刈り取りをすることになる」という霊的原則が、彼の上にも働く。
(1)朝になると、番兵の交代時間になる。 4 人1 組の兵士が4 組任務に就いていた。彼らは、6 時間交代でペテロの番をしていた。交代時間になり、ペテロがアントニア要塞の牢から消えていることに気づいた。これは一大事である。(2)訳文を比較してみよう。「ペテロはどうなったのかと、兵士たちの間に大騒ぎが起こった」(新改訳)。「兵士たちの間で、ペトロはいったいどうなったのだろうと、大騒ぎになった」(新共同訳)。「ペテロは如何にせしとて兵卒の中( うち) の騷( さわぎ) 一方ならず」(文語訳)。この中では、(文語訳)が原文のニュアンスを一番よく伝えている。英語の訳は、「there was no small stir among the soldiers, what was become of Peter.」(ASV)となっている。ルカは、筆致を抑えることで、逆に兵士たちの動揺どうようの大きさを表現している。
「ヘロデは彼を捜したが見つけることができないので、番兵たちを取り調べ、彼らを処刑するように命じ、そして、ユダヤからカイザリヤに下って行って、そこに滞在した」。(1)ヘロデは、大量の兵士たちを動員し、組織的にペテロの捜索を行ったことであろう。城門を閉め、エルサレム中を探し回ったことであろう。しかしペテロは、夜が明ける前に町から逃亡していた。(2)次にヘロデは、番兵たちを取り調べた。番兵たちの陰謀いんぼうがなければ、ペテロが牢から消えることはあり得ない。番兵たちを拷問ごうもんにかけて、自白を強要したに違いない。しかし、意味のある回答は得られなかった。(3)そこでヘロデは、番兵たちを処刑するように命じた。これは、任務遂行に失敗した兵士に対する一般的な処置である。この処罰は、ペテロの脱獄だつごくは神の力によるものではないと世間に公表するためである。ヘロデは、人間の命に対する敬意のかけらも持ち合わせていない恐るべき人物である。(4)ヘロデは、カイザリヤに下って行った。そこには彼の王宮があり、彼には解決すべき隣国との外交問題があった。
番兵たちの処刑をどう考えたら良いのか。これは、ヘロデの罪がもたらした副産物である。これは、より大きな裁きが下る前の前奏曲である。罪は、周りの人たちにも悲劇をもたらす。心して罪から遠ざかろうではないか。

きょうの祈り

天の父なる神さま。罪の深さと恐ろしさを知りました。どうか、御霊によって私を罪から守り、きよめてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

伝道者の書1~2、ヘブル人への手紙8