12 こうとわかったので、ペテロは、マルコと呼ばれているヨハネの母マリヤの家へ行った。そこには大ぜいの人が集まって、祈っていた。
13 彼が入口の戸をたたくと、ロダという女中が応対に出て来た。
14 ところが、ペテロの声だとわかると、喜びのあまり門をあけもしないで、奥へ駆け込み、ペテロが門の外に立っていることをみなに知らせた。
15 彼らは、「あなたは気が狂っているのだ」と言ったが、彼女はほんとうだと言い張った。そこで彼らは、「それは彼の御使いだ」と言っていた。
16 しかし、ペテロはたたき続けていた。彼らが門をあけると、そこにペテロがいたので、非常に驚いた。
17 しかし彼は、手ぶりで彼らを静かにさせ、主がどのようにして牢から救い出してくださったかを、彼らに話して聞かせた。それから、「このことをヤコブと兄弟たちに知らせてください」と言って、ほかの所へ出て行った。
(1)ペテロは、至急ヘロデの手から逃れる必要があった。しかしその前に、教会の兄弟たちに、解放されたことを報告する必要があった。彼は、「マルコと呼ばれているヨハネの母マリヤの家」に行った。教会(信者の群れ)は、ここに集まり、執りなしの祈りを捧げていた。(2)ここでルカは、第一次伝道旅行に参加することになるマルコを紹介している。マルコはギリシア名(マルコス)で、ヨハネはヘブル名(ヨハナン)である。(3)マルコの母マリアは、裕福な寡婦である(召使いがいるのは裕福な家)。この家は、最後の晩餐の席となった場所で、その後も、最も重要な集会所となっていた。(4)ペテロは迷うことなく、そこに行った。そこでは、大勢の信者がペテロのために祈っていた。徹夜祈祷会が開かれていたのであろう。
(1)ペテロが入り口の戸をたたくと、ロダという女中が応対に出て来た。彼女は、声でペテロが来たことが分かったが、門を開けずに奥へ駆け込み、朗報を皆に知らせた。(2)祈っていた人たちは、ロダの報告を聞いても、にわかには信じず、「あなたは気が変になっている」(新改訳2017)、「それは彼の御使いだ」と言った。当時のユダヤ人は、各人には守護天使がついていて、守護天使は守っている人に似ているのだと信じていた。(3)彼らには、ある種の疑いがあった。ヤコブは殺されたのに、自分たちの祈りがこんなに急に聞かれるはずがないという不信仰である。(4)その間ペテロは、戸をたたき続けていた。次第にその音が大きくなったはずである。近隣の住民は裕福な祭司階級で、教会にとって危険な人たちである。それにもかかわらず、家の中にいる信者たちが行動を起こさないのは、皮肉である。(5)ついに彼らは入り口に行き、門を開けた。そして、そこにペテロがいたので、非常に驚いた。家の中に入ると、ペテロは手ぶりで彼らを静かにさせた。そして、主による救出劇について話して聞かせた。ペテロは、「このことをヤコブと兄弟たちに知らせてください」と伝えた。このヤコブは、主イエスの肉の弟のヤコブである。彼はすでに、エルサレム教会の指導者になっていたようである。(6)ペテロは、「ほかの所へ出て行った」。行き先は、①小アジアか(1 ペテ1:1)、②シリアのアンテオケか(ガラ2:11)、あるいは③巡回伝道か。
私たちもまた、疑いながら祈る者ではないだろうか。主は、そんな私たちの祈りさえも聞いてくださる。祈りは私たちの特権である。
きょうの祈り
天の父なる神さま。私も疑いを持ちながら祈ることがあります。どうかお赦しください。確信をもって祈ることができるよう、御霊によって満たしてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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ヨブ記38~39、ヘブル人への手紙6
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