6 そこで、彼らは、いっしょに集まったとき、イエスにこう尋ねた。「主よ。今こそ、イスラエルのために国を再興してくださるのですか。」
7 イエスは言われた。「いつとか、どんなときとかいうことは、あなたがたは知らなくてもよいのです。それは、父がご自分の権威をもってお定めになっています。
8 しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります。」
「そこで、彼らは、いっしょに集まったとき、イエスにこう尋ねた。『主よ。今こそ、イスラエルのために国を再興してくださるのですか』」。この場面は、オリーブ山(ベタニヤに近い場所)での出来事であろう。6 節と7 節の内容(弟子たちの質問とイエスの回答)の重要性に着目しよう。この質問に対するイエスの回答が、使徒の働きを理解する鍵となる。
(1)「そこで」(ギリシャ語で「メン・ウーン」)(英語で「therefore」)は、その前の節を受けた言葉である。イエスは使徒たちに、聖霊のバプテスマの約束をされた。「そこで」彼らは、「イスラエル復興」に関する質問をしたのである。日本語訳聖書のほとんどが、「イスラエルのために国を再興してくださるのですか」と訳している。「国」は、ギリシア語で「バシレイア」である。これは、「王国」のことである。英語訳では、「restore the kingdom to Israel?」(ASV)と訳されている。
(2)この質問の内容は、ユダヤ的に読み解く必要がある。使徒たちの質問は、「メシア的王国」(千年王国)に関するものである。なぜなら、使徒たちは、旧約聖書にある約束を知っていたからである(イザ32:15 ~ 20、44:3 ~ 5、エゼ39:28 ~ 29、ヨエ2:28、ゼカ12:10 ~ 13:1 など参照)。これらの箇所は、共通した内容を預言している。①終わりの時になると、イスラエルの民の上に聖霊が注がれる。その結果、イスラエルは民族的救いを経験するようになる。②その救いが成就すると異邦人の時代は終わり、ダビデ王国が復興する。これがメシア的王国(千年王国)で、この王国は、地上に文字通り成就する。③メシアはダビデの王座に着いてエルサレムから世界を統治する。また、使徒たちは12 の座に着いてイスラエル12 部族を裁くようになる(マタ19:28、ルカ22:30 にあるイエスの約束)。
(3)使徒たちの質問は、必ずしも的外れなものではない。聖霊の傾注とイスラエルの救いは、連動しているからである。しかし、彼らにはメシア的王国が出現する時期に関する誤解があった。神は、メシア的王国の成就を延期し、教会時代を地上にもたらされた。今の時代にあって私たちに与えられている使命は、主イエスの証人として地の果てまでも福音を宣べ伝えることである。
きょうの祈り
父なる神よ、どうか主イエスの証人として、地の果てまでも福音を宣べ伝えることができますよう、聖霊によって導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
列王記第二15~16、使徒の働き27
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