15 それから【主】の使いは、再び天からアブラハムを呼んで、
16 仰せられた。「これは【主】の御告げである。わたしは自分にかけて誓う。あなたが、このことをなし、あなたの子、あなたのひとり子を惜しまなかったから、
17 わたしは確かにあなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように数多く増し加えよう。そしてあなたの子孫は、その敵の門を勝ち取るであろう。
18 あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」
19 こうして、アブラハムは、若者たちのところに戻った。彼らは立って、いっしょにベエル・シェバに行った。アブラハムはベエル・シェバに住みついた。
アブラハムが雄羊を全焼のいけにえとしてささげ終わった時、【主】の使いがアブラハムに語りかけた。その内容は、アブラハム契約の再確認である。これは5 回目で、最後の、アブラハム契約の再確認となっている。(1)「わたしは自分にかけて誓う」。これは、神にとって考え得る最も厳粛な誓いである。これ以上の誓いはない。(2)神が誓われる理由は、アブラハムがひとり子を惜しまずに神にささげたからである。彼は、その生涯における最後で、最大のテストに合格したのである。
神はアブラハムに4 つの約束を与えた(すでに約束されていた内容の要約と確認である)。・わたしは確かにあなたを大いに祝福し、・あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように数多く増し加えよう。・そしてあなたの子孫は、その敵の門を勝ち取るであろう。・あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。
第4 の約束の中には、異邦人の祝福が含まれている。異邦人の祝福は、創世記12 章のアブラムの召しの段階から約束されていたことである。「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される」(創12:3)。この約束どおりに、私たち異邦人は、アブラハムの子孫であるメシア(イエス)の贖罪の死によって罪の赦しと永遠のいのちを受けるようになった。
アブラハム契約は、創世記以降の歴史の展開を導く大原則である。また、聖書預言を解く鍵ともなる。(1)出エジプトの出来事は、アブラハム契約のゆえに起こることである(出2:22 ~25)。モーセがイスラエルの民のためにとりなしの祈りをささげるのは、アブラハム契約があるからである(出32:11 ~14)。(2)新約聖書では、マリアがメシアの誕生とアブラハム契約を結び付けている(ルカ1:54~55、68 ~73)。(3)ガラテヤ人への手紙3:15 ~18 は、モーセ契約とアブラハム契約を比較し、前者は一時的であり、後者は永遠であると教えている。
以上の例から分かるように、アブラハム契約は、聖書全体を貫く大原則である。ユダヤ的視点から聖書を読むとは、アブラハム契約を鍵として聖書を解釈することでもある。聖書の神は、契約の神である。そのことが分からなければ、聖書のメッセージを有機的に読むことは不可能である。契約を守られる神の御名をたたえよう。神の約束に信頼をおく者は幸いである。
きょうの祈り
アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。異邦人である私をも、祝福の中に招いてくださったことを感謝します。聖書の大原則であるアブラハム契約が、私の救いの基礎であることを教えてくださり、ありがとうございました。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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