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マルコの福音書14:53~59

53 彼らがイエスを大祭司のところに連れて行くと、祭司長、長老、律法学者たちがみな、集まって来た。

54 ペテロは、遠くからイエスのあとをつけながら、大祭司の庭の中まで入って行った。そして、役人たちといっしょにすわって、火にあたっていた。

55 さて、祭司長たちと全議会は、イエスを死刑にするために、イエスを訴える証拠をつかもうと努めたが、何も見つからなかった。

56 イエスに対する偽証をした者は多かったが、一致しなかったのである。

57 すると、数人が立ち上がって、イエスに対する偽証をして、次のように言った。

58 「私たちは、この人が『わたしは手で造られたこの神殿をこわして、三日のうちに、手で造られない別の神殿を造ってみせる』と言うのを聞きました。」

59 しかし、この点でも証言は一致しなかった。

イエスの裁判(1)

ユダヤ人による宗教裁判

イエスの裁判は、二つの段階で行なわれました。ユダヤ人による宗教裁判と、ローマ人による政治裁判です。当時、ユダヤ人からは死刑を執行する権利が剥奪はくだつされていたため、二段階の手順を踏む必要があったのです。
さて、逮捕されたイエスは、まずアンナスのところへ連れて行かれますが(ヨハネ18章)、この部分は共観福音書では省かれています。アンナスは紀元7~14年まで大祭司を勤めましたが、それ以降も、陰の実力者として君臨していました。この年の大祭司であったカヤパは、娘婿です。神殿内での両替や動物の売買は、アンナス一家が独占していました。イエスは、公生涯の最初と最後、二度にわたって宮清めをされましたので、アンナスが個人的にイエスを憎悪する理由は十分にあったわけです。

大祭司カヤパ

アンナスはイエスを大祭司カヤパのもとに送ります。そこで緊急の裁判が行なわれます。(1)本来は、神殿内でのみ召集されるべきサンヘドリン(ユダヤ議会)が、カヤパの官邸に召集されました。これ自体が違法行為です。(2)サンヘドリンは71人の議員からなっていましたが、最低23人の出席で議会が成立しました。この夜は、ニコデモやアリマタヤのヨセフは欠席していました。イエスを支持すると思われる議員は、最初から呼ばれなかったのです。(3)大祭司カヤパは、イエスを訴えるための偽証を求めていましたが、最後までうまく行きませんでした。数人が、「私たちは、この人が『わたしは手で造られたこの神殿をこわして、三日のうちに、手で造られない別の神殿を造って見せる』と言うのを聞きました」と証言します。これこそ、カヤパが求めていた証言でした。神殿の破壊は、ローマの法廷でも死刑に値します。
イエスを死刑にしようとしていた人たちがいかに混乱し、慌てふためいていたかに注目しましょう。彼らは、過越の祭りが終わってからイエスを逮捕することにしていたのです。しかし、イエスの時(十字架の時)はすでに来ていました。神の小羊であるイエスは、過越の祭りの間に十字架につかねばならなかったのです。神の時が来たなら、だれもそれを止めることはできません。

きょうの祈り

天の父よ。時が来たなら、あなたの計画は必ず成就します。きょうも一日、神の時を意識しながら歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記33~34、マルコの福音書 13

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