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士師記16:4~9

4 その後、サムソンはソレクの谷にいるひとりの女を愛した。彼女の名はデリラといった。

5 すると、ペリシテ人の領主たちが彼女のところに来て、彼女に言った。「サムソンをくどいて、彼の強い力がどこにあるのか、またどうしたら私たちが彼に勝ち、彼を縛り上げて苦しめることができるかを見つけなさい。私たちはひとりひとり、あなたに銀千百枚をあげよう。」

6 そこで、デリラはサムソンに言った。「あなたの強い力はどこにあるのですか。どうすればあなたを縛って苦しめることができるのでしょう。どうか私に教えてください。」

7 サムソンは彼女に言った。「もし彼らが、まだ干されていない七本の新しい弓の弦で私を縛るなら、私は弱くなり、並みの人のようになろう。」

8 そこで、ペリシテ人の領主たちは、干されていない七本の新しい弓の弦を彼女のところに持って来たので、彼女はそれでサムソンを縛り上げた。

9 彼女は、奥の部屋に待ち伏せしている者をおいていた。そこで彼女は、「サムソン。ペリシテ人があなたを襲ってきます」と言った。しかし、サムソンはちょうど麻くずの糸が火に触れて切れるように、弓の弦を断ち切った。こうして、彼の力のもとは知られなかった。

サムソンを捕らえるための陰謀(1)

デリラ

神の子たちを破滅に導くために、サタンは数々の誘惑を仕掛けてきます。人は誘惑に会った時、すぐにではなく、徐々にそれに取り込まれていきます。やがて罪に対する抵抗力が鈍り、敵の策略にかかってしまいます。きょうの箇所では、サムソンがそのような苦い体験をしています。
サムソンは、デリラという女を愛しました。これ以降の話の展開から判断すると、恐らくペリシテ人の女でしょう。サムソンがデリラの家にいることを知ったペリシテ人の領主たちは、彼女にある提案をします。(1)サムソンの力の秘密を見つけてほしい。聖書は、サムソンを筋肉質の大男としては描いていません。彼は普通の男であったのに、異常な力を発揮したのです。それが、ペリシテ人には驚きであり、脅威でした。(2)もし秘密を見つけてくれるなら、領主ひとりひとりから銀1,100枚が与えられる。ペリシテ人の領主は5人いましたので、合計銀5,500枚です。ユダはイエスを売った代価として、銀30枚を手に入れました。デリラが受け取る報酬は、膨大なものです。(3)デリラは、金銭のためなら平気で裏切り行為を働くような女です。そのような女を愛したサムソンは、まことに愚かです。

第一の試み

デリラとサムソンのやり取りが4回続きます。ここでは、最初のやり取りだけを見てみます。サムソンの力の秘密は、彼がナジル人であり、主とつながっているという点にありました。サムソンは嘘を言いますが、そこにはいくばくかの真実も含まれています。(1)サムソンは、「7本の新しい弓の弦で私を縛るなら、私は弱くなり、並みの人のようになろう」と言いました。「新しい弓の弦」とは、生乾きの動物の腸のことで、ナジル人にとっては汚れた物です。ここで彼は、自分からナジル人としての特質を取り去れば、力はなくなるというヒントを与えています。(2)「7本」という数字にもヒントが隠されています。彼の髪の毛は7房になっていました。つまり、髪の毛に秘密があるというヒントです。彼は非常に危険な道を歩き始めたのです。
罪とたわむれてはなりません。この程度なら大丈夫だろうという気持ちが、大きな失敗を招くのです。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。どうかいつも主イエスにつながり続けることができますように、私をお守りください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ミカ書7、詩篇93 ~ 94