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ローマ人への手紙1:8 〜15

8 まず第一に、あなたがたすべてのために、私はイエス・キリストによって私の神に感謝します。それは、あなたがたの信仰が全世界に言い伝えられているからです。

9 私が御子の福音を宣べ伝えつつ霊をもって仕えている神があかししてくださることですが、私はあなたがたのことを思わぬ時はなく、

10 いつも祈りのたびごとに、神のみこころによって、何とかして、今度はついに道が開かれて、あなたがたのところに行けるようにと願っています。

11 私があなたがたに会いたいと切に望むのは、御霊の賜物をいくらかでもあなたがたに分けて、あなたがたを強くしたいからです。

12 というよりも、あなたがたの間にいて、あなたがたと私との互いの信仰によって、ともに励ましを受けたいのです。

13 兄弟たち。ぜひ知っておいていただきたい。私はあなたがたの中でも、ほかの国の人々の中で得たと同じように、いくらかの実を得ようと思って、何度もあなたがたのところに行こうとしたのですが、今なお妨げられているのです。

14 私は、ギリシヤ人にも未開人にも、知識のある人にも知識のない人にも、返さなければならない負債を負っています。

15 ですから、私としては、ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を伝えたいのです。

ローマ教会との関係(5)

すべての異邦人に

「私は、ギリシヤ人にも未開人にも、知識のある人にも知識のない人にも、返さなければならない負債を負っています」(14節)とあります。
「ギリシヤ人にも未開人にも、知識のある人にも知識のない人にも」の意味を考えてみましょう。(1)これは、ローマ人による人類の二分法です。人類がギリシヤ人と未開人に分けられています。これは、ギリシヤ語を話すかどうかによる分類です。ローマ人は、ギリシヤ人の中に含まれています。(2)「知識のある人」(教育のある人)とはギリシヤ人のこと、「知識のない人」(教育のない人)とは未開人のことです。ちなみに、ユダヤ人は人類をユダヤ人と異邦人に二分します。(3)ここでパウロは、彼がすべての異邦人に対して責任を負わされていることを表明しています。

負債を負った人(債務者)

パウロの自己認識は、「自分は、返さなければならない負債を負った債務者だ」というものです。14節を直訳すると、「私は、ギリシヤ人にも未開人にも、教育のある人にもない人にも、債務者である」となります。(1)これは、ローマ教会の信徒たちから良くしてもらったので恩義を感じている、という意味ではありません。(2)イスラエル人には、異邦人に対する使命が与えられていました。ピシデアのアンテオケでの伝道で、ユダヤ人たちが福音を拒否したので、パウロとバルナバはこう表明しています。「なぜなら、主は私たちに、こう命じておられるからです。『わたしはあなたを立てて、異邦人の光とした。あなたが地の果てまでも救いをもたらすためである』」(使13:47)。ここでパウロは、イザヤ49:6を引用しています。「異邦人の光」となるというのが、アブラハムの選び以来、イスラエルの民に与えられた使命です。パウロの召しは、イスラエルの民に与えられていた召しの延長線上にあります。パウロは、イスラエルの民の失敗をあがなおうとしていたのです。それがパウロの負債意識の一つです。それ以外の内容については、次回学びます。
私たちもまた、同胞への負債を負っています。その負債は、福音を伝達するまでは払い終わったことにはなりません。クリスチャンとしての行動も大切ですが、言葉による福音の伝達がなければ人は救われません。自分の賜物を認識し、負債を完済する人生を歩もうではありませんか。

きょうの祈り

天の父なる神さま。パウロの言葉から、私にも負債があることを学びました。どうか、言葉による福音伝達を実行することができますように、私を助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ナホム書1~3、詩篇95 ~ 96