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ローマ人への手紙1:8 〜15

8 まず第一に、あなたがたすべてのために、私はイエス・キリストによって私の神に感謝します。それは、あなたがたの信仰が全世界に言い伝えられているからです。

9 私が御子の福音を宣べ伝えつつ霊をもって仕えている神があかししてくださることですが、私はあなたがたのことを思わぬ時はなく、

10 いつも祈りのたびごとに、神のみこころによって、何とかして、今度はついに道が開かれて、あなたがたのところに行けるようにと願っています。

11 私があなたがたに会いたいと切に望むのは、御霊の賜物をいくらかでもあなたがたに分けて、あなたがたを強くしたいからです。

12 というよりも、あなたがたの間にいて、あなたがたと私との互いの信仰によって、ともに励ましを受けたいのです。

13 兄弟たち。ぜひ知っておいていただきたい。私はあなたがたの中でも、ほかの国の人々の中で得たと同じように、いくらかの実を得ようと思って、何度もあなたがたのところに行こうとしたのですが、今なお妨げられているのです。

14 私は、ギリシヤ人にも未開人にも、知識のある人にも知識のない人にも、返さなければならない負債を負っています。

15 ですから、私としては、ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を伝えたいのです。

ローマ教会との関係(3)

使命の人パウロ

この箇所の3回目の学びです。「私があなたがたに会いたいと切に望むのは、御霊の賜物をいくらかでもあなたがたに分けて、あなたがたを強くしたいからです」(11節)とあります。(1)「御霊の賜物」とは、使徒職のことです。さらに、「御霊の賜物を分ける」とは、使徒職の行使のことです。「強くしたい」(ステイリゾウ)とは、確立すること、建て上げることです。(2)使徒の役割は、教会の建て上げです。また、使徒の役割は教会の土台となることです。「こういうわけで、あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、今は聖徒たちと同じ国民であり、神の家族なのです。あなたがたは使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です」(エペ2:19 〜20)
パウロは、ローマ教会に欠けているものが何かあると感じていました。それゆえ、「あなたがたのところに行くときは、キリストの満ちあふれる祝福をもって行くことと信じています」(15:29)と書いているのです。また、「神は、わたしの福音すなわちイエス・キリストについての宣教によって、あなたがたを強めることがおできになります。この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです」(ロマ16:25 /新共同訳)とも書いています。「わたしの福音」という言葉に着目しましょう。それは、パウロ書簡の中に3 度出てきます(ロマ2:16、16:25、2テモ2:8)。彼が「わたしの福音」という言葉を使っている理由は、他の使徒たちにではなく、特にパウロに啓示された真理があったからです(2点あります。聖書ひとくちメモ参照)。パウロはその真理をローマの信徒たちに伝え、ローマ教会が不足している点を満たそうとしたのです。

謙遜な人パウロ

「というよりも、あなたがたの間にいて、あなたがたと私との互いの信仰によって、ともに励ましを受けたいのです」(12節)とあります。ここでパウロは、自分がローマ教会の信徒たちよりも上だという印象を彼らに与えないために、さらに言葉を補足して彼の気持ちを伝えています。パウロは、ローマの信徒たちの信仰や体験からも学びたいと願っているのです。クリスチャンは、互いの信仰から学び合い、励まし合うことができます。支配ではなく、相互に仕え合うことこそ、キリストの教会の特徴です。

聖書ひとくちメモ  「特にパウロに与えられた2つの啓示」

(1)奥義
「その奥義とは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人もまた共同の相続者となり、ともに一つのからだに連なり、ともに約束にあずかる者となるということです」(エペ3:6)
教会そのもののことではなく、ユダヤ人と異邦人がひとりの人になることが奥義である。
パウロは、その奥義を教えることによって、ローマ教会の中にあったユダヤ人信者と異邦人信者の壁を取り除こうとした。
(2)位置的真理(positional truth)
「このように、あなたがたも、自分は罪に対しては死んだ者であり、神に対してはキリスト・イエスにあって生きた者だと、思いなさい」(ロマ6:11)
「罪から来る報酬ほうしゅうは死です。しかし、神の下さる賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠のいのちです」(ロマ6:23)
パウロはテクニカルターム(専門用語)として、「あって」という前置詞を使っている。
それには、「in Christ」、「in Jesus」、「in Jesus Christ」、「inChrist Jesus」、「in Him」、「in whom」などのバリエーションがある。
キリストを信じた人は、神との関係において新しい位置に置かれたのである。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。パウロに啓示された真理を余すところなく理解することができますように、私を助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ミカ書5〜6、テサロニケ人への手紙 第二3