28 牛が男または女を突いて殺した場合、その牛は必ず石で打ち殺さなければならない。その肉を食べてはならない。しかし、その牛の持ち主は無罪である。
29 しかし、もし、牛が以前から突くくせがあり、その持ち主が注意されていても、それを監視せず、その牛が男または女を殺したのなら、その牛は石で打ち殺し、その持ち主も殺されなければならない。
30 もし彼に贖い金が課せられたなら、自分に課せられたものは何でも、自分のいのちの償いとして支払わなければならない。
31 男の子を突いても、女の子を突いても、この規定のとおりに処理されなければならない。
32 もしその牛が、男奴隷、あるいは女奴隷を突いたなら、牛の持ち主はその奴隷の主人に銀貨三十シェケルを支払い、その牛は石で打ち殺されなければならない。
33 井戸のふたをあけていたり、あるいは、井戸を掘って、それにふたをしないでいたりして、牛やろばがそこに落ち込んだ場合、
34 その井戸の持ち主は金を支払って、その持ち主に償いをしなければならない。しかし、その死んだ家畜は彼のものとなる。
35 ある人の牛が、もうひとりの人の牛を突いて、その牛が死んだ場合、両者は生きている牛を売って、その金を分け、また死んだ牛も分けなければならない。
36 しかし、その牛が以前から突くくせのあることがわかっていて、その持ち主が監視をしなかったのなら、その人は必ず牛は牛で償わなければならない。しかし、その死んだ牛は自分のものとなる。
傷害事件に関する3 回目の学びである。読み取るべき要点は、基本的人権の擁護である。
「牛が男または女を突いて殺した場合、その牛は必ず石で打ち殺さなければならない。その肉を食べてはならない。しかし、その牛の持ち主は無罪である。しかし、もし、牛が以前から突くくせがあり、その持ち主が注意されていても、それを監視せず、その牛が男または女を殺したのなら、その牛は石で打ち殺し、その持ち主も殺されなければならない」。(1)牛が人を殺した場合は、その牛を石打ちの刑に処す。その肉は食べてはならない。ただし、牛の持ち主は無罪である。(2)ところが、持ち主が、牛に突くくせがあることを知っていた場合は、処置が異なる。牛は石で撃ち殺される。さらに、持ち主は殺人犯と見なされ、死刑か、それに相当する罰金刑に処せられる。危険性を認識していたのに、それを無視して人を殺傷した場合のことを、現代の法律用語では「未必の故意」と言う。モーセの律法の中に、近代法の概念がすでに存在していたのは、驚くべきことである。 「もしその牛が、男奴隷、あるいは女奴隷を突いたなら、牛の持ち主はその奴隷の主人に銀貨三十シェケルを支払い、その牛は石で打ち殺されなければならない」。牛が奴隷を殺した場合は、牛の所有者は奴隷の主人に、銀貨30 シェケルを支払う。そして、牛を石打ちの刑に処す。銀貨30 シェケルは、銀貨30 枚と同じである。これが、死んだ奴隷の価値とされた。
(1)牛やろばが井戸に落ち込んで死んだ場合、その井戸の蓋を開けていた者は、家畜の持ち主に金銭的弁済をしなければならない。ただし、死んだ家畜は井戸の持ち主のものになる。(2)牛同士がけんかをして片方が死んだ場合は、生きている牛を売って金に換え、それを2 分する。さらに、死んだ牛も2 分する。つまり、すべてを平等に分配するということである。(3)もし牛に以前から突くくせがある場合は、持ち主は過失の責めを負い、死んだ牛の弁済をしなければならない。
以上の規定は、人と家畜が隣接して生活していた時代においては極めて重要なものであった。モーセの律法の判例集から、私たちも教訓を学ぶことができる。それぞれの事案において、神の義が成るかどうかがポイントである。「だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます」(マタ6:33)。この聖句を生活の指針にしようではないか。
きょうの祈り
天の父よ。あなたが造られた宇宙は、倫理的道徳的存在です。きょうも、神の国とその義を第一として歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
列王記第二9~10、使徒の働き23
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