1 さて、モーセのしゅうと、ミデヤンの祭司イテロは、神がモーセと御民イスラエルのためになさったすべてのこと、すなわち、どのようにして【主】がイスラエルをエジプトから連れ出されたかを聞いた。
2 それでモーセのしゅうとイテロは、先に送り返されていたモーセの妻チッポラと
3 そのふたりの息子を連れて行った。そのひとりの名はゲルショムであった。それは「私は外国にいる寄留者だ」という意味である。
4 もうひとりの名はエリエゼル。それは「私の父の神は私の助けであり、パロの剣から私を救われた」という意味である。
5 モーセのしゅうとイテロは、モーセの息子と妻といっしょに、荒野のモーセのところに行った。彼はそこの神の山に宿営していた。
6 イテロはモーセに伝えた。「あなたのしゅうとである私イテロは、あなたの妻とそのふたりの息子といっしょに、あなたのところに来ています。」
この箇所は、アマレクとの激闘の後にやって来た静寂の情景である。イテロという人物について考えてみよう。(1)彼は、出エジプト2:18 でレウエルと呼ばれていたが、これは固有名詞で、「神の友」という意味である。彼は、アブラハムの曽孫に当たる(アブラハム→イサク→エサウ→レウエルと続く)。母は、イシュマエルの娘でネバヨテの妹バセマテである(創36:4)。(2)同じ人物が出エジプト18:1 でイテロと呼ばれている。これは地位を表すタイトルで、「卓越した」という意味である。ミデヤンには王はなく、祭司が首長であった。つまり彼は、ミデヤンの祭司で、他国では王のような存在だったということである。(3)イテロがモーセの舅になった経緯は、出エジプト2:16 〜 22 に出ていた。モーセは井戸のそばでイテロの7 人の娘たちを助け、それがきっかけとなって、彼といっしょに住むようになった。彼は、娘のチッポラをモーセに与えた。
イテロは、神がモーセと御民イスラエルのためになさったすべてのことを聞き、荒野にいたモーセのもとに駆けつけた。(1)彼は、モーセの妻チッポラ、長男ゲルショム、次男エリエゼル(この名はここで初めて登場)を連れて来た。(2)モーセの家族が実家で待機していた理由は、出エジプト4:24 〜 26 に記されていた。エジプトへの途上、モーセは危篤状態に陥った。モーセが次男に割礼を施していなかった(アブラハム契約の条項に違反していた)ので、神は、モーセを殺そうとされた。妻のチッポラは急いで次男に割礼を施し、その包皮をモーセの両足(陰部の婉曲語)につけて、モーセを死から救った。(3)妻のチッポラが割礼を嫌悪しているのを見て、モーセは家族を家に帰した。もし不信仰な妻を連れて行くなら、神の御業の妨害になると考えたからである。
モーセの判断を心に留めながら、マタイ19:29 と10:37 を思い起こそう。「また、わたしの名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子、あるいは畑を捨てた者はすべて、その幾倍もを受け、また永遠のいのちを受け継ぎます」。「わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません。また、わたしよりも息子や娘を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません」。この教えは、実際に両親や家族を憎むということではなく、神を第一にするか、人間関係を第一にするかという優先順位の問題である。神を第一にするなら、結果的に祝福が下る。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。私は、家族を愛するがゆえに、あなたに従うことを優先させます。それが結果的には家族の祝福につながるからです。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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