六日目に関する規定

六日目には2 倍のパンを集めるというのが、【主】の命令であった。その理由は、「七日目は【主】の聖なる安息である」というものである。「安息」という言葉の前に定冠詞がないので、この「安息」は、ここで初めて出て来る概念であることが分かる。後になって、モーセの律法により安息日の規定が定まる。
さて、マナの調理法だが、これは焼いても煮ても美味しく、そのままでも食べることもできた。調理するのは、味の変化のためであって、保存のためではない。六日目に集めたマナは、翌日まで取っておいても腐敗しなかった。【主】のおことばのとおりである。

七日目に関する規定

七日目には、民は前日からの残り物を食べた。マナは【主】からの贈り物だが、七日目の安息もまた祝福の贈り物である。七日目には、マナは降らなかった。しかし、民の中のある者たちは、その日にマナを集めに出かけた。食べ物が不足していたからではなく、モーセの言葉が本当かどうかを試すために、彼らは出て行ったのである。結局、何も見つけることができなかった。その段階で、【主】のことばは、祝福のことばから命令のことばに変わる。「七日目には、あなたがたはそれぞれ自分の場所にとどまれ。その所からだれも出てはならない」。「それで、民は七日目に休んだ」。神からの祝福を祝福として受け取れないなら、神は従順を教えるために、命令（律法）を下さざるを得なくなる。
マナという名称は、「マン・フー（これは何だろう）」から来ている。マナの特徴は、コエンドロ（1 年生草木で初夏に白い花をつける。実を香辛料や薬用に用いる）の種のように白く、味は蜜みつを入れたせんべい（ウエハース）のようであった。イスラエルの民は、壺つぼの中に1 オメルのマナを入れて、それを後の世代のために保存するように命じられた。その壺は、至聖所しせいじょの中に置かれた契約の箱に入れて保存されるようになる（ヘブ9：3 〜4）。
荒野でのマナの供給は、40 年間続く。イスラエルの民が約束の地に入った時点で、マナの供給は止んだ（ヨシ5：10 〜12）。荒野の旅の期間、マナの供給は毎日続いた。イスラエルをエジプトから導き出された神は、最後まで彼らをお守りになった。私たちが信じている神は、ご自身の約束に忠実なお方である。「あなたがたのうちに良い働きを始められた方は、キリスト・イエスの日が来るまでにそれを完成させてくださることを私は堅く信じているのです」（ピリ1：6）