1 【主】はモーセに告げて仰せられた。
2 「イスラエル人に、引き返すように言え。そしてミグドルと海の間にあるピ・ハヒロテに面したバアル・ツェフォンの手前で宿営せよ。あなたがたは、それに向かって海辺に宿営しなければならない。
3 パロはイスラエル人について、『彼らはあの地で迷っている。荒野は彼らを閉じ込めてしまった』と言うであろう。
4 わたしはパロの心をかたくなにし、彼が彼らのあとを追えば、パロとその全軍勢を通してわたしは栄光を現し、エジプトはわたしが【主】であることを知るようになる。」そこでイスラエル人はそのとおりにした。
この個所には、いくつかの地名が出て来るが、正確な位置は今では分からない。地形そのものが変化しているからである(モーセは、それらの地について確実な知識を持っていた)。
考えられる旅程を記してみよう。(1)イスラエルの民は、スコテから3 日の旅を終えてエタムに宿営した(13:20)。エタムは荒野の端にあるので、その先はシナイ半島(荒野)になる。そこは「シュルの荒野」と呼ばれ、「エタムの荒野」は、その一部である。(2)エタムに着いた民には、2 つの選択肢があった。①【主】にいけにえを捧げ、そのままエジプトに帰る。だがこの選択肢はあり得ない。②エタムからそのまま東に進み、シナイ半島を通過してカナンの地に向かう。荒野に入れば、エジプトの戦車が追いかけて来る可能性はなくなる。(3)しかし主は、第3 の選択肢を示された。「イスラエル人に、引き返すように言え。そしてミグドルと海の間にあるピ・ハヒロテに面したバアル・ツェフォンの手前で宿営せよ。あなたがたは、それに向かって海辺に宿営しなければならない」。「引き返すように言え」(turn back)は、むしろ、「道をそれるように言え」(turn away)と訳すべきであろう。つまり、東(荒野の方向)に向かうのではなく、南に向かうということである。その命令に従えば、カナンの地からは遠ざかることになる。
ここでは、イスラエルの民の信仰が試されている。まだ神の計画は見えて来ない。民が目指す地バアル・ツェフォンは、海と山に挟まれた地である。それでも民は、【主】を信じて南に向かうように命じられた。
【主】が民に南下するように命じたのは、パロをおびき出すためであった。パロは、イスラエル人が道に迷ったと思い、後を追って来るであろう。その結果、神の民イスラエルを苦しめたエジプトに神の最終的な裁きが下ることになる。エジプト軍の裁きこそ、出エジプトの出来事のクライマックスである。この出来事を通して、神はご自身の性質と力を啓示される。神が歴史に介入されるのである(ちなみに、新約聖書では、神の子の受肉がこれに相当する出来事である)。その結果、エジプトは、【主】こそ神であることを知るようになる。また、イスラエルの民は、【主】がイスラエルのために戦われることを知るようになる。民は、【主】のことばに従い、その通りにした。私たちなら、どうしていたであろうか。【主】のことばに信頼を置く人は幸いである。
きょうの祈り
イスラエルの神よ。あなたの御心の道を歩むことこそ、最も安全な方法です。きょうもあなたの道を私にお示しください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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ヨシュア記1~2、箴言15
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