15 それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべきもの』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)
16 そのときは、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。
17 屋上にいる者は家の中の物を持ち出そうと下に降りてはいけません。
18 畑にいる者は着物を取りに戻ってはいけません。
19 だがその日、哀れなのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。
20 ただ、あなたがたの逃げるのが、冬や安息日にならぬよう祈りなさい。
21 そのときには、世の初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような、ひどい苦難があるからです。
22 もし、その日数が少なくされなかったら、ひとりとして救われる者はないでしょう。しかし、選ばれた者のために、その日数は少なくされます。
23 そのとき、『そら、キリストがここにいる』とか、『そこにいる』とか言う者があっても、信じてはいけません。
前回の箇所(9 ~14 節)は、大患難時代の前半に関する預言であった。15 ~28 節は、大患難時代の後半についての預言である。大患難時代の後半の特徴は、8つある。今回は最初の5 つ(15 ~ 23 節)を取り上げる。
(1)「荒らす憎むべきもの」の登場が、大患難時代の後半に入る「しるし」となる。これは、反キリストが神殿の至聖所に着座し、自らを神と宣言することを意味している。その時、偽預言者は、反キリストの像を至聖所に建てる(ダニ12:11、2 テサ2:3 ~10、黙13:11 ~15 参照)。このことは、反キリストとイスラエルが結んだ7 年の契約の中間に起こる。(2)反キリストのしるしが現れたなら、ユダヤ人たちはユダヤを離れて国外に逃亡するようにと命じられている(黙12 章参照)。ここでは、「急いで」という点が強調されている。「山へ逃げなさい」とは、ヨルダン川の東の山地に逃げよということである。身重の女と乳飲み子を持つ女が悲惨だと言われている理由は、迅速に移動できないからである。「冬や安息日にならぬよう祈りなさい」というのも、同じ理由である。冬にはワジ(水無し川)に水が流れているので、移動が困難になる。(3)反キリストによって、かつてなかったような世界規模のユダヤ人への迫害が始まる。その結果、多くのユダヤ人たちが殺される。これは、メシアの再臨を妨害するサタンの試みである。(4)神は日数を少なくする(3 年半)ことによって、「選ばれた者たち」を救われる。「選ばれた者たち」とは、この文脈では選民イスラエルのことである。(5)メシアが再臨したといううわさを信じてはならない。なぜなら、メシアの再臨は、初臨とは異なり、だれもが認識できる状態で起こるからである。
ここまで学んだ内容を確認しておこう。(1)携挙がいつ起こるかは、誰にも分からない。(2)第一次世界大戦以降、預言的には「終末時代」に入った。(3)反キリストがイスラエルと7 年の契約を結ぶ時点が、大患難時代の始まりである。(4)7 年のちょうど中間で、反キリストが至聖所に着座して神性宣言を行う。それが、大患難時代の後半の始まりとなる。(5)ユダヤ人に対する激しい迫害が起こるが、選びの民が全滅することはない。(6)メシアが再臨したという噂を信じてはならない。
以上がメシア再臨に至るシナリオである。みことばによって、すべての事項を吟味する習慣を身につけようではないか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。明確な将来への展望を与えてくださり、感謝します。地上生涯の先に、さらに祝福された世界があることを信じます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
歴代誌 第一26~27、詩篇137 ~ 138
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