21 ヤコブはラバンに申し出た。「私の妻を下さい。期間も満了したのですから。私は彼女のところに入りたいのです。」
22 そこでラバンは、その所の人々をみな集めて祝宴を催した。
23 夕方になって、ラバンはその娘レアをとり、彼女をヤコブのところに行かせたので、ヤコブは彼女のところに入った。
24 ラバンはまた、娘のレアに自分の女奴隷ジルパを彼女の女奴隷として与えた。
25 朝になって、見ると、それはレアであった。それで彼はラバンに言った。「何ということを私になさったのですか。私があなたに仕えたのは、ラケルのためではなかったのですか。なぜ、私をだましたのですか。」
26 ラバンは答えた。「われわれのところでは、長女より先に下の娘をとつがせるようなことはしないのです。
27 それで、この婚礼の週を過ごしなさい。そうすれば、あの娘もあなたにあげましょう。その代わり、あなたはもう七年間、私に仕えなければなりません。」
28 ヤコブはそのようにした。すなわち、その婚礼の週を過ごした。それでラバンはその娘ラケルを彼に妻として与えた。
29 ラバンは娘ラケルに、自分の女奴隷ビルハを彼女の女奴隷として与えた。
30 ヤコブはこうして、ラケルのところにも入った。ヤコブはレアよりも、実はラケルを愛していた。それで、もう七年間ラバンに仕えた。
ヤコブは7 年間の奉公を全うし、ラバンにこう申し出る。「私の妻を下さい。期間も満了したのですから。私は彼女のところに入りたいのです」。(1)彼が、「私の妻」と言っているのは、契約によってラケルがすでに彼の妻となっていたからである。(2)「そこでラバンは、その所の人々をみな集めて祝宴を催した」。つまり、ハランの町の有力者たちが招かれたということである。この時代の中近東の習慣では、祝宴は7 日間続くのが普通であった。(3)ところが、重大な事件が持ち上がった。ラバンが、姉のレアをヤコブのところに送ったのである。父イサクを欺いたヤコブが、ここでは伯父ラバンとその長女のレアに欺かれている。これは、ヤコブの罪に対する報いである。(4)当時の習慣では、花嫁は顔にベールをかけて夫の前に出た。そのためヤコブは、そばに寝ているのがレアであることに気づかなかった。「朝になって、見ると、それはレアであった」。ヤコブは欺かれたのである。
ヤコブは、「何ということを私になさったのですか。私があなたに仕えたのは、ラケルのためではなかったのですか。なぜ、私をだましたのですか」と抗議した。ラバンとレアの罪は重大であるが、この事件の背後に神の摂理が働いていることを認めないわけにはいかない。なぜなら、メシアは、レアの家系から誕生することになるからである。
ラバンは新しい提案をした。「われわれのところでは、長女より先に下の娘をとつがせるようなことはしないのです。それで、この婚礼の週を過ごしなさい。そうすれば、あの娘もあなたにあげましょう。その代わり、あなたはもう7 年間、私に仕えなければなりません」。つまり、1 週間の婚宴が終わった時点で、ラケルとの結婚を許可するというのである。そのための花嫁料は、さらに7 年間ラバンに仕えることで生み出される。ラバンは、実に貪欲な男である。ヤコブはその提案を受け入れ、さらに7 年間ラバンに仕えることにした。ここに、ヤコブの高潔な人格を見て取ることができる。
これで、今後展開される物語の主役が揃った。ヤコブと4 人の女性たちが主役である(レアとその女奴隷ジルパ、ラケルとその女奴隷ビルハ)。ヤコブは、この4人の女性から12 人の息子を得ることになる。ものごとが自分の計画通りに進まない時でも、神の計画は前進している。自分の願い通りにならない時、神はすべてを益にされるお方であることを覚えよう。
きょうの祈り
アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。人生には思いどおりにいかないことが多くあります。しかし、あなたのご計画は確実に前進しています。きょうも、あなたに信頼を置いてこの世に出て行きます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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ヨシュア記7~8、ルカの福音書3
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