サポートする

使徒の働き27:9 ~ 12

9 かなりの日数が経過しており、断食だんじきの季節もすでに過ぎていたため、もう航海は危険であったので、パウロは人々に注意して、

10 「 皆さん。この航海では、きっと、積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危害と大きな損失が及ぶと、私は考えます」と言った。

11 しかし百人隊長は、パウロのことばよりも、航海士や船長のほうを信用した。

12 また、この港が冬を過ごすのに適していなかったので、大多数の者の意見は、ここを出帆して、できれば何とかして、南西と北西とに面しているクレテの港ピニクスまで行って、そこで冬を過ごしたいということになった。

パウロの助言(2)

経験に基づく進言

過去の経験に基づいて、パウロはこう進言した。「皆さん。この航海では、きっと、積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危害と大きな損失が及ぶと、私は考えます」。これは神からの啓示ではなく、パウロの体験に基づく意見である。彼は数度に及ぶ伝道旅行で、航海に関してはかなりの経験を積んでいた(彼は、1112 回も船旅を経験し、少なくとも4,800 キロを船で移動した)。 2 コリント1125 には、こう書かれている。「むちで打たれたことが三度、石で打たれたことが一度、難船したことが三度あり、一昼夜、海上を漂ったこともあります」。4 回目の難船を避けたいと願うのは、当然である。

百人隊長の判断

「しかし百人隊長は、パウロのことばよりも、航海士や船長のほうを信用した。また、この港が冬を過ごすのに適していなかったので、大多数の者の意見は、ここを出帆して、できれば何とかして、南西と北西とに面しているクレテの港ピニクスまで行って、そこで冬を過ごしたいということになった」。(1)百人隊長は、パウロの警告を無視した。人間的には当然の判断であろう。海に関して、パウロは素人である。そこで百人隊長は、専門家の航海士や船長の判断を採用したのである。この種の穀物輸送船は、ローマ帝国の管理下に置かれていた。ローマ帝国のための仕事をしていると見なされたので、船の所有者と船長は、ローマの官憲の指示に従ったのである。(2)大多数の者の意見も、百人隊長と同じであった。今停泊中の「良い港」は冬を越すのに適していない。 80km 西にあるクレテの港ピニクスまで行き、そこで冬を過ごしたい。これが常識的な判断である。(3)しかし、専門家の判断が間違いで、パウロの判断が正しかったことは、後で明らかになる。専門家の意見が100正しいと思ってはならない。

羅針盤を持った人の特権

神の約束という羅針盤を与えられたパウロは、その船の中で際立った存在になった。彼には揺れ動くということがなかった。やがて明らかになるが、彼一人だけが絶望しなかった。彼の立場は囚人からリーダーに移行して行く。最初は、彼の意見は無視されたが、最後は全員が耳を傾けるようになる。羅針盤を持った人の最大の特権は、人々に仕えるということである。私たちも、神から与えられたみことばを、自分のためではなく、人々に仕えるために用いよう。きょうも、キリストのしもべとしてこの世に出て行こう。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。あなたのみことばを、人々に仕えるために用いることができるよう導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

サムエル記第一22~23、使徒の働き1

Message

ハーベスト・タイムによる無料の聖書講解動画(音声)サイト。

Information

毎朝6時にきょうの【クレイ】が
あなたのLINEに届きます!