サポートする

ルカの福音書21:12~19

12 しかし、これらのすべてのことの前に、人々はあなたがたを捕らえて迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために、あなたがたを王たちや総督たちの前に引き出すでしょう。

13 それはあなたがたのあかしをする機会となります。

14 それで、どう弁明するかは、あらかじめ考えないことに、心を定めておきなさい。

15 どんな反対者も、反論もできず、反証もできないようなことばと知恵を、わたしがあなたがたに与えます。

16 しかしあなたがたは、両親、兄弟、親族、友人たちにまで裏切られます。中には殺される者もあり、

17 わたしの名のために、みなの者に憎まれます。

18 しかし、あなたがたの髪の毛一筋も失われることはありません。

19 あなたがたは、忍耐によって、自分のいのちを勝ち取ることができます。

終わりの日に関する教え(その2)

迫害の預言

イエスは弟子たちに、再臨や世の終わりが来る前に、迫害と裏切り、そして殉教の長い歴史が続くであろうことを預言なさいました。(1)迫害の確実性。イエスの弟子たちは、会堂から追い出され、親兄弟、親戚、友人たちから裏切られるような経験をするようになります。会堂は、ユダヤ人共同体の中核をなしており、そこから追放されることは、ユダヤ人としての生活ができなくなることを意味しました。(2)神の守りの確実性。しかし、迫害の真っ只中でも、神は弟子たちを見捨てず、恵みによって必要なことばと知恵と力とを与えてくださいます。(3)神の勝利の確実性。「しかし、あなたがたの髪の毛一筋も失われることはありません。」(18節)とあります。迫害にあっている者は、この約束によって、神がすべての状況を支配しておられることと、最終的な神の勝利が約束されていることを信じなければなりません。人生には、不可解なことが多々あります。個々人の役割が、神の計画の中でどのように位置づけられているのかを理解できないこともしばしばです。しかし、信仰者はこう告白します。「神のご計画は、最善である。」と。

迫害の歴史

新約聖書に記録された最初の迫害は、ペテロとヨハネの逮捕です(使徒の働き3~5章)。次に、ステパノの殉教の死(使徒の働き8章)、エルサレム教会に対する激しい迫害と続きます。迫害者の一人であったパウロは、回心後、自らが迫害を受ける身となります(コリント人への手紙第二112333参照)。クリスチャンに対する組織的な迫害は、ネロ帝の時代に起こりました。パウロとペテロが殉教したのもこのときです。それ以降、コンスタンティヌス帝がキリスト教を公認するとき(313年)まで、約2世紀にわたって迫害が続きました。中世から近世にかけても、キリスト教内部では、多数派(正統派)が少数派(異端)を迫害するという出来事が起こっています。近代に入ってからは、共産圏のクリスチャンが、激しい迫害に会いました。日本においても、迫害の歴史があります。江戸時代のキリシタン迫害、また、満州事変(1931年)以降のクリスチャンに対する迫害がそれです。あなたは、自分は迫害とは無関係だと思っていましたか。今も世界各地には、迫害に苦しむ多くの兄弟姉妹たちがいます。彼らのためにとりなしの祈りをささげると同時に、自らも、迫害に対する備えをさせていただきましょう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。今、私たちに与えられている信教の自由のゆえに感謝します。と同時に、迫害に苦しむ多くの兄弟姉妹のために祈ります。どうか、その苦しみに勝利する力を与えてください。また私自身が、いつ降りかかるかもしれない迫害への備えをすることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

歴代誌 第二1~2、詩篇137~138