27 しかし、いま聞いているあなたがたに、わたしはこう言います。あなたの敵を愛しなさい。あなたを憎む者に善を行いなさい。
28 あなたをのろう者を祝福しなさい。あなたを侮辱する者のために祈りなさい。
29 あなたの片方の頬を打つ者には、ほかの頬をも向けなさい。上着を奪い取る者には、下着も拒んではいけません。
30 すべて求める者には与えなさい。奪い取る者からは取り戻してはいけません。
31 自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい。
32 自分を愛する者を愛したからといって、あなたがたに何の良いところがあるでしょう。罪人たちでさえ、自分を愛する者を愛しています。
33 自分に良いことをしてくれる者に良いことをしたからといって、あなたがたに何の良いところがあるでしょう。罪人たちでさえ、同じことをしています。
34 返してもらうつもりで人に貸してやったからといって、あなたがたに何の良いところがあるでしょう。貸した分を取り返すつもりなら、罪人たちでさえ、罪人たちに貸しています。
35 ただ、自分の敵を愛しなさい。彼らによくしてやり、返してもらうことを考えずに貸しなさい。そうすれば、あなたがたの受ける報いはすばらしく、あなたがたは、いと高き方の子どもになれます。なぜなら、いと高き方は、恩知らずの悪人にも、あわれみ深いからです。
36 あなたがたの天の父があわれみ深いように、あなたがたも、あわれみ深くしなさい。
イエスに従いたいと願う者は、イエスが歩まれたように歩まねばなりません。しかし、愛に生きることは、なんと難しいことでしょうか。「あなたの敵を愛しなさい。」というイエスの教えを聞いた群集は、反発を感じたことでしょう。当時のパレスチナがローマの支配下にあったことを考えると、この発言は、実に革命的なものです。事実、イエスがもたらしたのは、愛の革命でした。ギリシャ語には、愛を表わす言葉が、四つあります。イエスは、ストーゲー(自然に感じる好意)や、エロース(恋愛感情の愛)や、フィリア(友情のような愛)ではなく、アガペー(条件をつけない愛)を要求されました。「片方の頬を打つ者には、ほかの頬をも向けなさい。」との教えが語られます。文字通りこれを実行すると、逆に愛の精神から離れてしまうこともあり得ます(ヨハネの福音書18:22参照)。これは、心のあり方を教えているものと解釈すべきです。私たちは、侮辱されるようなことがあっても、復讐心に燃えることなく、さらなる侮辱に備えるべきです。あなたには、機会があれば借りを返そうとしている人がいますか。それは、サタンに心を売り渡す行為であることを覚えましょう。
ヒレルという有名なラビは、「自分にして欲しくないことを、他人にすべからず。」と否定形で愛を語りました。しかしイエスは、「自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい。」(31節)とお教えになりました。最近、スポーツ新聞などで、「リベンジ」という言葉を頻繁に見かけるようになりました。英語の意味は、復讐するとか、仕返しをするとかいうことです。この言葉の流行は、赦しを忘れた今の時代を反映しているかのようで、心が暗くなります。力によって問題を解決しようとするなら、将来に禍根を残すことになります。力を蓄えた敵との間に、際限のない仇討ちのサイクルが生まれるからです。あなたは、「人生の黄金律」を職場で、家庭で、教会で、実践していましたか。イエスの教えを読みながら、私自身が感謝したのは、自力で愛の人になる必要がないということです。愛のない私には、それは不可能です。イエスは、命令とともに、力をも与えてくださいます。イエスは今、あなたや私に語っておられます。「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛しました。わたしの愛の中にとどまりなさい。」(ヨハネの福音書15:9)。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神よ。私には愛がないことを認めます。今、イエスの愛にとどまります。私に赦しの心、敵をも愛する心をお与えください。今日一日、黄金律を最大の武器として歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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