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サムエル記第二19:8b ~ 15

8b 一方、イスラエル人は、おのおの自分たちの天幕に逃げ帰っていた。

9 民はみな、イスラエルの全部族の間で、こう言って争っていた。「王は敵の手から、われわれを救い出してくださった。王はわれわれをペリシテ人の手から助け出してくださった。ところが今、王はアブシャロムのために国外に逃げておられる。

10 われわれが油をそそいで王としたアブシャロムは、戦いで死んでしまった。それなのに、あなたがたは今、王を連れ戻すために、なぜ何もしないでいるのか。」

11 ダビデ王は祭司ツァドクとエブヤタルに人をやって言わせた。「ユダの長老たちにこう言って告げなさい。『全イスラエルの言っていることが、ここの家にいる王の耳に届いたのに、あなたがたは、なぜ王をその王宮に連れ戻すのをためらっているのか。

12 あなたがたは、私の兄弟、私の骨肉こつにくだ。それなのに、なぜ王を連れ戻すのをためらっているのか。』

13 またアマサにも言わなければならない。『あなたは、私の骨肉ではないか。もしあなたが、ヨアブに代わってこれからいつまでも、私の将軍にならないなら、神がこの私を幾重にも罰せられるように。』」

14 こうしてダビデは、すべてのユダの人々を、あたかもひとりの人の心のように自分になびかせた。ユダの人々は王のもとに人をやって、「あなたも、あなたの家来たちもみな、お帰りください。」と言った。

15 そこで王は帰途につき、ヨルダン川に着くと、ユダの人々は、王を迎えてヨルダン川を渡らせるためにギルガルに来た。

ダビデの復権

イスラエルの部族の声

アブシャロムが死んだ後、ダビデの復権に向けて事態は急変します。まず変化が起こったのは、敵であったイスラエルの部族の間においてでした。(1)彼らは、アブシャロムの側についてみたものの、結局アブシャロムは死んでしまったことを重く受け止めました。(2)彼らは、アブシャロムの側に付いた指導者たちの責任を激しく追求しました。(3)彼らは、ダビデの功績の数々(ペリシテ人を始めとする敵に対する勝利)を思い出し、ダビデの統治を慕い懐かしむようになりました。ダビデを王位に迎えようという声は日増しに大きくなりました。

ユダ部族への働きかけ

この時点でダビデはエルサレムに凱旋し、反逆者たちを処罰することもできました。しかし彼は、平和的方法を選びました。ユダ部族の者たちから歓迎されて初めて、都に帰還するという方法です。(1)ダビデはイスラエルの諸部族から歓迎されているという事実を効果的に用います。祭司ツァドクとエブヤタルとを派遣し、ユダの長老たち(叛乱はんらんに加担した張本人たち)にダビデを王宮に迎えるように説得させます。(2)またダビデは、アブシャロムに手を下したヨアブに代えてアマサを将軍に取り立てることを約束します。アマサもまた叛乱を指揮した人物ですので、この約束にはかなりの危険が伴いました。(3)これらすべてを通して、ダビデは自分には報復と刑罰を行なう意図がないことを表明したのです。(4)これを聞いて、ユダの人々は安堵しました。そして、全員一致で王を迎えに出ることになりました。彼らは、ダビデを迎えるためにヨルダン川まで出向いています。
ダビデの平和主義から教訓を学びましょう。ダビデは民から招かれない限り、エルサレムに帰還することはありませんでした。主イエスもまたそのような思いを持っておられます。主は私たちが歓迎しない限り、無理に私たちの心に押し入ろうとはなさいません。主は、「見よ。わたしは、戸の外に立ってたたく。だれでも、わたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしは、彼のところにはいって、彼とともに食事をし、彼もわたしとともに食事をする」(黙示3:20)と語っておられます。

きょうの祈り

天の父なる神さま。今心に、主イエスをお迎えします。どうぞお入りください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エレミヤ書40~41、コリント人への手紙 第二8