26 さて、ヨアブはアモン人のラバと戦い、この王の町を攻め取った。
27 ヨアブはダビデに使者を送って言った。「私はラバと戦って、水の町を攻め取りました。
28 しかし今、民の残りの者たちを集めて、この町に対して陣を敷き、あなたがこれを攻め取ってください。私がこの町を取り、この町に私の名がつけられるといけませんから。」
29 そこでダビデは民のすべてを集めて、ラバに進んで行き、これと戦って、攻め取った。
30 彼は彼らの王の冠をその頭から取った。その重さは金一タラントで、宝石がはめ込まれていた。その冠はダビデの頭に置かれた。彼はまた、その町から非常に多くの分捕り物を持ってきた。
31 彼はその町の人々を連れてきて、石のこぎりや、鉄のつるはし、鉄の斧を使う仕事につかせ、れんが作りの仕事をさせた。ダビデはアモン人のすべての町々に対して、このようにした。こうして、ダビデと民のすべてはエルサレムに帰った。
ここで話は、アモン人との戦いに戻ります。この箇所は、11章1節の戦いの続きです。時間的には、ソロモンが誕生する前の出来事だという可能性が大です。12章の内容は、時間の順番に記されているわけではありません。
(1)将軍ヨアブはアモン人の都ラバ(今のアンマン)を包囲し、これを陥落させる寸前まで行きました。ここで彼は、エルサレムにとどまっていたダビデに出陣を要請します。(2)その理由は、自分が指揮して勝利すると、その栄誉が自分に帰せられる可能性があるからです。ヨアブは問題の多い人物でしたが、このように王に対する忠誠を保持している一面も持ち合わせていました。(3)ダビデはその要請に応じ、ラバを陥落させるために出陣します。(4)この町を攻め取ったダビデは、王の王冠(約30キログラムもあった)と多くの戦利品を持って帰還します。
ダビデがアモン人の捕虜たちをどのように扱ったかについては、次のように書かれています。「彼はその町の人々を連れてきて、石のこぎりや、鉄のつるはし、鉄の斧を使う仕事につかせ、れんが作りの仕事をさせた。ダビデはアモン人のすべての町々に対して、このようにした」。この節は、「‥‥鉄の斧にて斬り‥‥瓦陶の中を通行しめたり」(文語訳)とも訳せます。前者の訳では、ダビデはアモン人たちを強制労働に就かせたという意味になり、後者の訳では、ダビデは彼らを拷問にかけたという意味になります。どちらの訳も可能です。拷問にかけるとは残酷な気がしますが、これは「同じ呪いをもって報いる」という原則を適用したものです。実際に、アモン人たちはそのような残酷なことを敵に対して行なっていました(Ⅰサムエル記11:2、アモス書1:13参照)。
いずれにしても、ダビデの仕打ちは非常にきびしいものです。恐らくダビデの心に平安がなかったために、他者に対してもこのようなきびしい処置をしたのでしょう。人は神の愛と赦しによって心が満たされているなら、他者に対しても寛容になれます。あなたの心は今、イエス・キリストの内にあって安らいでいますか。他者に対して優しく振る舞えていますか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。隣人に対して寛容な心を示すことができますように、私の心に平安を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
イザヤ書50~51、コリント人への手紙 第一4
ハーベスト・タイムによる無料の聖書講解動画(音声)サイト。
最新のメッセージ
毎朝6時にきょうの【クレイ】が
あなたのLINEに届きます!