1 この後、アモン人の王が死に、その子ハヌンが代わって王となった。
2 ダビデは、「ナハシュの子ハヌンに真実を尽くそう。彼の父が私に真実を尽くしてくれたように。」と考えた。そこで、ダビデは家来を派遣して、彼の父の悔やみを言わせた。ダビデの家来たちがアモン人の地に来たとき、
3 アモン人のつかさたちは、彼らの主君ハヌンに言った。「ダビデがあなたのもとに悔やみの使者をよこしたからといって、彼が父君を敬っているとでもお考えですか。この町を調べ、探り、くつがえすために、ダビデはあなたのところに家来をよこしたのではありませんか。」
4 そこでハヌンはダビデの家来たちを捕え、彼らのひげを半分そり落とし、その衣を半分に切って尻のあたりまでにし、彼らを送り返した。
5 ダビデにこのことが知らされたので、彼は彼らを迎えに人をやった。この人たちが非常に恥じていたからである。王は言った。「あなたがたのひげが伸びるまで、エリコにとどまり、それから帰りなさい。」
サムエル記第二10章が書かれた理由は、二つあります。(1)この章は、サムエル記第二8:3~12で簡単に記されていた戦いの背景と内容とを、詳細に記録しています。(2)さらにこの章は、ダビデがバテ・シェバと犯すようになる罪の舞台設定を行なっています。そういう意味で、非常に大切な箇所です。
(1)アモン人の王ナハシュが死にました。かつてナハシュは、サウル王と戦ったことがありました(Ⅰサムエル記11章参照)。サウルの敵であったナハシュは、ダビデを親切に扱ったようです。それは恐らく、ダビデの逃亡時代に起こったことだと思われます。(2)ダビデはナハシュの親切を思い起こし、王位を継承したナハシュの子ハヌンに弔問の使節を送り、彼を慰めようとします。(3)しかしハヌンは、ダビデの善意を誤解し、逆にダビデを侮辱するような行為に出ます(使節が侮辱されたことは、ダビデが辱めを受けたのと同じことです)。(4)ハヌンに悪影響を与えたのは、猜疑心の強い家来たちでした。彼らは、ダビデの使節たちをスパイ扱いし、イスラエル人が非常に大切にしているヒゲを半分そり落とし、その衣も尻の辺りまで切り取りました。当時の習慣では、ヒゲをそり落とすこと自体が屈辱的なことでしたが、半分だけそり落とすのは、さらに悪いことでした。(5)そのことを聞いたダビデは、人を遣わし、直接エルサレムに帰らず、ヒゲが伸びるまでエリコにとどまるように命じます。部下に対するダビデの思いやりが伺えます。
隣人に敵対心を持つ者は、隣人のことばや行為を疑い、誤解するようになります。それがいかに愛の行為であっても、悪人はそれを善意に解釈することができないのです。あなたには、善意でしたことが誤解され、批判を受けたという経験がありますか。そのような場合、誤解した側に責任があることが多いのです。一時的にあなたの評価が下がったとしても、主に信頼して歩み続けるなら、使者たちのヒゲが伸びたように、必ず名誉を回復する時が来ます。失望することなく、主に信頼して歩み続けましょう。
きょうの祈り
天の父なる神さま。どうか私が人の悪を思うことがありませんように、私を守ってください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
イザヤ書24~25、ローマ人への手紙11
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