1 王が自分の家に住み、主が周囲のすべての敵から守って、彼に安息を与えられたとき、
2 王は預言者ナタンに言った。「ご覧ください。この私が杉材の家に住んでいるのに、神の箱は天幕の中にとどまっています。」
3 すると、ナタンは王に言った。「さあ、あなたの心にあることをみな行ないなさい。主があなたとともにおられるのですから。」
サムエル記第二7章は非常に重要な聖書箇所です。この章では、アブラハム契約やモーセ契約(シナイ契約)と同じくらい重要な「ダビデ契約」が登場します。きょうの箇所は、ダビデ契約が結ばれるようになった背景を説明しています。
(1)ダビデは、ツロの職人たちが建設した王宮に住むようになりました。この王宮は杉材で内装を施されたもので、比類なき豪華さを誇っていました。(2)また周囲の敵が平定され、ダビデは戦いのない安息の日々を味わうようになっていました(8章に入ると再び戦争の記事が出てきますが、これは、サムエル記の記録が必ずしも時間順に並んでいるのではないことを表わしています。時間順に並べると、7章は8章の後にくるものです)。(3)ところが、神の箱は粗末な天幕に安置されたままでした。ダビデの心は痛みました。自分が住んでいる杉材の王宮と比べると、神の箱が安置されている天幕が非常にみすぼらしいものであったからです。
そこでダビデは、預言者ナタンに相談します。ナタンの出自については、詳しいことはわかりません。当時彼は、宮廷に出入りする預言者、王の個人的助言者であったと思われます。非常に敬虔で、主に忠実な預言者でした。また、ダビデのことをよく知っていました。(1)ダビデは、神の箱のために恒久的な建物(神殿)を建設したいと、その胸の内をナタンに打ち明けます。(2)ナタンは即座に、「さあ、あなたの心にあることをみな行ないなさい。主があなたとともにおられるのですから」と助言を与えています。(3)確かに、「主がともにおられる」というのは、ダビデの生涯を貫く真理でした。しかしナタンは、これほど重要なテーマに関して、主にお伺いを立てることなしに、個人的な判断だけで答えています。
ナタンは預言者であり、善良な人物でした。しかし、そのような人物であっても自己判断によってことばを発するなら、間違いを犯すことになります。ここに私たちへの教訓があります。善良なだけでは、隣人に正しい助言を与えることはできません。重要な課題に関しては、祈りの中で主の導きを求めることを習慣としようではありませんか。
きょうの祈り
アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。独断でことばを発することの多い者です。お許しください。あなたの導きを求めることを私の習慣とさせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。
アーメン。
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