27 十四日目の夜になって、私たちがアドリヤ海を漂っていると、真夜中ごろ、水夫たちは、どこかの陸地に近づいたように感じた。
28 水の深さを測ってみると、四十メートルほどであることがわかった。少し進んでまた測ると、三十メートルほどであった。
29 どこかで暗礁に乗り上げはしないかと心配して、ともから四つの錨を投げおろし、夜の明けるのを待った。
30 ところが、水夫たちは船から逃げ出そうとして、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていたので、
31 パウロは百人隊長や兵士たちに、「あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたも助かりません」と言った。
32 そこで兵士たちは、小舟の綱を断ち切って、そのまま流れ去るのに任せた。
水夫たちは、小舟に乗って自分たちだけが助かろうと画策した。彼らは、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていた。パウロは、鋭い観察眼でそれを見抜き、声を上げた。この背後には、激しい霊の戦い(光の国と闇の国の戦い)がある。
「パウロは百人隊長や兵士たちに、『あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたも助かりません』と言った。そこで兵士たちは、小舟の綱を断ち切って、そのまま流れ去るのに任せた」。(1)パウロは、百人隊長や兵士たちに警告を発した。①水夫たちは、船を操る専門家集団である。その彼らがいなくなると、船は手足をなくしたような状態になる。②神は、全員が助かると約束しておられたが、乗員たちの命を守るためには、水夫たちの力がぜひとも必要である。③水夫たちがいなくなると、船は非常に危険な状態に陥る。(2)今回は、百人隊長はパウロの助言を聞き入れた。前回、パウロの助言を無視したために、大変な目に遭ったからである。(3)兵士たちは、水夫たちが小舟に乗って逃げることがないように、小舟の綱を断ち切った。これは百人隊長の命令による行為である。綱を切られた小舟は、海に流されて行った。後に上陸する際に役立ったはずの小舟が、この時なくなってしまった。結果的に、乗員たちは岸まで泳いで行くことになる。
「この背後には、激しい霊の戦いがある」と前述した。その内容を見てみよう。①水夫たちが小舟に乗って逃げようとしたのは、パウロや乗員を殺そうとする悪魔の策略である。②水夫たちの計画をパウロが見抜いたのは、神の助けがあったことの証拠である。③百人隊長は、パウロの勧告に従って小舟を切り離すように兵士たちに命じた。神の力は、悪魔の力よりも強い。神の約束が成就する方法は、人間の努力と超自然の要素が調和して進むことである。
困難な状況の中で、自分に何ができるか考えてみよう。人間の努力と超自然の要素が調和することを求めて祈ろう。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。困難の中でこそ、あなたの約束を覚えます。正しい判断が出来るよう知恵を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
サムエル記第二1~2、箴言20
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