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使徒の働き27:27 ~ 32

27 十四日目の夜になって、私たちがアドリヤ海を漂っていると、真夜中ごろ、水夫たちは、どこかの陸地に近づいたように感じた。

28 水の深さを測ってみると、四十メートルほどであることがわかった。少し進んでまた測ると、三十メートルほどであった。

29 どこかで暗礁に乗り上げはしないかと心配して、ともから四つの錨を投げおろし、夜の明けるのを待った。

30 ところが、水夫たちは船から逃げ出そうとして、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていたので、

31 パウロは百人隊長や兵士たちに、「あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたも助かりません」と言った。

32 そこで兵士たちは、小舟の綱を断ち切って、そのまま流れ去るのに任せた。

逃亡しようとする水夫たち(1)

陸地に近づく

「十四日目の夜になって、私たちがアドリヤ海を漂っていると、真夜中ごろ、水夫たちは、どこかの陸地に近づいたように感じた。水の深さを測ってみると、四十メートルほどであることがわかった。・・・」。(1)船は嵐の中を14 日間漂流した。これは、「良い港」を出てからの日数である。船は、約750 キロ流されたことになる。水夫たちは、陸地に近づいていると感じた。水夫は、陸地の臭いをかぎ分けることができると言われている。この場合は、岸に打ち付ける波の音を聞いた可能性もある。(2)「アドリヤ海を漂っていると」とあるが、当時、アドリヤ海とは、地中海の中央部のことで、イタリア、クレテ島、北アフリカに囲まれた海域を指す。パウロの船は、地中海の南側から北西に流されたということである。(3)陸地に近づいていると感じた水夫たちは、水深を2 度測った。糸(ロープ)におもりを付け、どこまで沈むかで水深を測る。 1 オルギヤ(竿)= 6 フィート(180)である。最初の測定では、水深は20 オルギヤ= 180× 2036 メートルであった。2 回目の測定では、水深は15 オルギヤ= 180× 1527 メートルとなった。水深が浅くなっていくので、陸地に近づいているのが分かった。

水夫たちの陰謀

「どこかで暗礁に乗り上げはしないかと心配して、ともから四つの錨を投げおろし、夜の明けるのを待った。ところが、水夫たちは船から逃げ出そうとして、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていたので、」。(1)一行は、船が暗礁に乗り上げるのを恐れ、4 つの錨を投げ下ろした。これは、船が流されないように固定するための処置である。ともから錨を降ろした理由は、船のへさきを陸地に向けるためである。(2)こうして、夜の明けるのを待った。「夜が明けるのを待ちわびた」(新改訳2017)という訳もある。ギリシア語で「ユーコマイ」は、「祈った」という訳も可能である。(3)ところが、水夫たちは船から逃げ出そうとした。彼らは、小舟に乗って自分たちだけが助かろうとしたのである。彼らは、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていた。
もし水夫たちが逃げたなら、船は重大な危機に直面させられる。最悪の場合は、パウロがローマに行くという神の約束が成就しないことになる。しかし神は、パウロに知恵をお与えになった。パウロは、鋭い観察眼で、水夫たちの陰謀を見抜き、それを阻止する。神の計画は必ず成就する。

きょうの祈り

聖なる神よ。あなたのご計画は必ず成就します。それゆえ、あなたを信頼します。きょうも、信仰によって歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

サムエル記第一30~31、詩篇37 ~ 38