13 おりから、穏やかな南風が吹いて来ると、人々はこの時とばかり錨を上げて、クレテの海岸に沿って航行した。
14 ところが、まもなくユーラクロンという暴風が陸から吹きおろして来て、
15 船はそれに巻き込まれ、風に逆らって進むことができないので、しかたなく吹き流されるままにした。
16 しかしクラウダという小さな島の陰に入ったので、ようやくのことで小舟を処置することができた。
17 小舟を船に引き上げ、備え綱で船体を巻いた。また、スルテスの浅瀬に乗り上げるのを恐れて、船具をはずして流れるに任せた。
「おりから、穏やかな南風が吹いて来ると、人々はこの時とばかり錨を上げて、クレテの海岸に沿って航行した」。大多数の意見の正しさを証明するかのように、穏やかな南風が吹いて来た。これまでは、船は北西の風に悩まされていたのだが、南風なら出帆できる。人々は、「天が味方してくれた」と感じたに違いない。この時とばかりに錨を上げて、港を出た。クレテ島の海岸に沿って航行すれば、1日でピニクス港に着くはずであった。
「ところが、まもなくユーラクロンという暴風が陸から吹きおろして来て、船はそれに巻き込まれ、風に逆らって進むことができないので、しかたなく吹き流されるままにした」。ところが、突然「ユーラクロン」(北東から吹く嵐)が陸から吹きおろして来た。①船は、風に逆らって進むことができない。②吹き流されるままにしておくしか、方法はない。③船は、クレテ島の沿岸から、大海に放り出された。期待とは正反対のことが起こったのである。
「しかしクラウダという小さな島の陰に入ったので、ようやくのことで小舟を処置することができた。小舟を船に引き上げ、備え綱で船体を巻いた。また、スルテスの浅瀬に乗り上げるのを恐れて、船具をはずして流れるに任せた」。(1)船は、クラウダという小さな島の陰に入った。そこに入ると、風が少し収まったので、対策を講じた。船の後ろに繋いであった小舟を、ようやくのことで引き上げることができた。この小舟は救命ボートである。すでに海水が満ちていたことだろう。これをそのままにしておくと、本船に衝突する危険性があった。この小舟は、先に行ってから、上陸のために必要になるかもしれない。(2)また、本船がバラバラにならないように、船底に綱を回し、船全体をその綱で巻いた。これは、浸水を防ぐための応急処置である。(3)さらに、「船具」を外して、船が流れるままにした。「船具」とあるのは、「帆」のことであろう。浅瀬に乗り上げるのを恐れて、「帆」を外したのである。「スルテスの浅瀬」とは、北アフリカ(リビヤ)沿岸の浅瀬である。
ここでの教訓は、順風が吹いて来た(状況が開けた)からといって、それだけで御心だと判断してはならないということである。特に自分の願いを最初から持っている場合は、状況によって御心を判断するのは、危険なことである。日々デボーションを通して静思の時を持っている人は、神の声を聞き分けることができるようになる。
きょうの祈り
天の父よ。いかなる状況でも、あなたの御心を正しく判断することができるよう助けてください。御声に従いつつ歩みます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
サムエル記第一24~25、使徒の働き2
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