22 しかしペリクスは、この道について相当詳しい知識を持っていたので、「千人隊長ルシヤが下って来るとき、あなたがたの事件を解決することにしよう」と言って、裁判を延期した。
23 そして百人隊長に、パウロを監禁するように命じたが、ある程度の自由を与え、友人たちが世話をすることを許した。
前回確認したように、ペリクスは微妙な立場に追い込まれた。彼には、パウロが訴えられている理由は宗教的なものであること、また、パウロが無罪であることは分かっていた。判決を下すことは、ユダヤ人たちの神学論争に介入することである。もしパウロを無罪にすると、ユダヤ人たちの機嫌を損ねることになる。それだけはどうしても避けたい。唯一の選択肢は、裁判の延期である。これがこの時のペリクスの心境である。
「しかしペリクスは、この道について相当詳しい知識を持っていたので、『千人隊長ルシヤが下って来るとき、あなたがたの事件を解決することにしよう』と言って、裁判を延期した。そして百人隊長に、パウロを監禁するように命じたが、ある程度の自由を与え、友人たちが世話をすることを許した」。(1)ペリクスは、「この道」について相当詳しい知識を持っていた。①彼の妻は、ユダヤ人のドルシラである。彼女は、ヘロデ・アグリッパⅠ世の娘である。ユダヤ人である彼女が、「この道」について夫のペリクスに情報を提供した可能性は大である。②また、ユダヤから来たローマ人やユダヤ人が情報源になった可能性もある。③さらに、ローマ帝国内の他の地域に住む人たちも情報源になったのかもしれない。(2)ペリクスは、パウロを無罪にするよりも、ユダヤ人たちとの平和を維持しようとした。①彼は、千人隊長が来るまで裁判を延期すると宣言した。②しかし、ペリクスには千人隊長をカイザリヤに呼ぶつもりはない。千人隊長の手紙で、パウロが無罪であることを知っていたからである。③かくして、裁判は無期限に延期された。④ここから、カイザリヤでの2 年間の拘留生活が始まる。(3)パウロは、ユダヤ人たちから隔離された。①ローマ市民であるパウロには、ある程度の自由が与えられた。②友人たちが、パウロの世話をした。アリスタルコ、ルカ、伝道者ピリポなどがパウロに仕えたのであろう。
ローマに行くというパウロの計画は挫折したかに見えるが、神の計画は確実に前進している。パウロは、神の時に、神の方法で、ローマに行くことになる。私たちの人生にも同じことが起こる。神が私たちに約束されたことは、神の時に、神の方法で実現する。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。あなたのご計画は確実に前進しています。あなたの時と方法を待つ忍耐を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
ヨシュア記23~24、ルカの福音書9
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