34 総督は手紙を読んでから、パウロに、どの州の者かと尋ね、キリキヤの出であることを知って、
35 「 あなたを訴える者が来てから、よく聞くことにしよう」と言った。そして、ヘロデの官邸に彼を守っておくように命じた。
(1)総督は千人隊長からの手紙を読み、パウロの出身地を尋ねた。①その出身地に別の統治者がいる場合は、その者に裁判の優先権がある。②ルカ23:6 ~7 には、「それを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ねて、ヘロデの支配下にあるとわかると、イエスをヘロデのところに送った。ヘロデもそのころエルサレムにいたからである」とある。(2)ところで、パウロはキリキヤの出である。そこには別の統治者がいないので、ペリクスが裁判を担当することになった。しかし、訴える者がいないと裁判にならないので、エルサレムからユダヤ人たちが到着するのを待つことになった。(3)ユダヤ人たちが来るまでの間、パウロはヘロデの官邸に収監された。①「ヘロデの官邸」とは、ヘロデ大王が建設した建物である。②そこには、いくつかの監獄が設置されていた。③パウロの生活は、かなり快適なものであったと思われる。彼はローマ市民であった。さらに、罪を犯したかどで正式に訴えられているわけでもなかった。(4)ペリクスの頭の中にあるのは、邪悪な思いだけである。彼は、次の2 つのことを考えていた。①いかにしてユダヤ人の機嫌取りをするか。②いかにしてパウロから賄賂を取り上げるか。
今後の展開の予習である。(1)パウロは、約2 年間カイザリヤに収監されることになる。①彼は、2 人の総督と1 人の王の前で弁明する。②これは、使徒9:15 の成就である。「あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子孫の前に運ぶ、わたしの選びの器です」。(2)ペリクスによる裁判は、3 つに区分することができる。①パウロに対するユダヤ人たちの訴え(24:1 ~ 9)。②訴えに対するパウロの弁明(24:10 ~ 21)。③ペリクスの応答(24:22 ~ 27)。ルカは、それぞれの部分にほぼ均等なスペースを割いている。その意図は、ペリクスが有罪宣言を出せなかったことを示すことにある。ユダヤ人たちは巧妙な訴えを起こした。またペリクスは、邪悪な総督であった。にもかかわらず、有罪宣言が出なかったのである。
ユダヤ教がキリスト教を迫害する理由は明白である。ユダヤ教の希望は、復活のイエスにおいて成就したとのキリスト教の主張が、ユダヤ人たちを激怒させたのである。私たちもまた、パウロが宣べ伝えた復活のイエスを伝える。主イエスは、今も生きておられる。これは、ユダヤ人にとっても異邦人にとっても、希望の光である。
きょうの祈り
天の父なる神さま。復活のイエスこそ、私たちの希望の光です。どうか、希望を述べ伝える者として、私を用いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
ヨシュア記13~14、ルカの福音書6
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