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使徒の働き22:25 ~ 29

25 彼らがむちを当てるためにパウロを縛ったとき、パウロはそばに立っている百人隊長に言った。「ローマ市民である者を、裁判にもかけずに、むち打ってよいのですか。」

26 これを聞いた百人隊長は、千人隊長のところに行って報告し、「どうなさいますか。あの人はローマ人です」と言った。

27 千人隊長はパウロのところに来て、「あなたはローマ市民なのか、私に言ってくれ」と言った。パウロは「そうです」と言った。

28 すると、千人隊長は、「私はたくさんの金を出して、この市民権を買ったのだ」と言った。そこでパウロは、「私は生まれながらの市民です」と言った。

29 このため、パウロを取り調べようとしていた者たちは、すぐにパウロから身を引いた。また千人隊長も、パウロがローマ市民だとわかると、彼を鎖につないでいたので、恐れた。

千人隊長との対話

取り調べ

(1)アラム語が分からない千人隊長は当惑した。暴動がこれ以上広がることは容認できない。パウロを保護し、その後取り調べを行うしかない。(2)千人隊長は、群衆が怒っている理由を何としても知りたいと思った。そこで、パウロをむちで打って自白させようとした。ローマのむち打ちは、非常に残酷なもので、死に至ることもあった。パウロはユダヤ人から5 度、ローマ人から3 度、むちを受けた(2 コリ112425)。(3)パウロは、立ったまま両手両足を2本の柱にくくり付けられた。むち打ちが始まる直前に、パウロは百人隊長に言った。「ローマ市民である者を、裁判にもかけずに、むち打ってよいのですか」。ローマ市民を裁判にかけずに犯罪人扱いするのは、違法であった。さらに、ローマ市民は有罪であっても、むち打ちを免れた。これらの規定に違反するなら、その者は死刑になる。百人隊長は、死刑に値する罪を犯す寸前に、パウロがローマ市民であるという情報を得たのである。

むち打ちの中止

(1)百人隊長は、むち打ちを中止し、千人隊長にこのことを報告した。百人隊長は、ことばだけでパウロがローマ市民であることを信じた。当時は、市民権の証明書は安全な場所に保管されていた。 いつわりの自己申告をすると、死刑に処せられた。(2)千人隊長はすぐにパウロのところに来た。パウロから直接、ローマ市民であるという証言を聞いた。彼もまた、パウロの証言をそのまま信じた。(3)彼は、「私はたくさんの金を出して、この市民権を買ったのだ」と言った。これは、「あなたの場合は、もっと金がかかった(賄賂わいろ)でしょう」という意味である。クラウデオの治世(4154 年)、市民権を買うことが可能であった(高額)。(4)パウロは「私は生まれながらの市民です」と答えた。パウロの祖父か父が市民権を得た。ローマの高官によく仕えた者には、報奨ほうしょうとして市民権が付与されていた。生まれながらの市民は、市民権を買った者よりも尊敬されていた。(5)ローマ市民を裁判にかけないで鎖につなぐのは、違法である。百人隊長も千人隊長も、自分たちは違法行為を働いたのではないかと恐れた。
パウロは、ローマの市民権を用いて正当な取り調べを要求することができた。私たちも、神から与えられているこの世での立場や経験、自分を取り巻く状況などを、奉仕のために活用することができる。この点に関して、主からの知恵を求めようではないか。

きょうの祈り

天の父なる神さま。この世での立場や経験、状況は、奉仕のために用いることができると知りました。どうか、知恵を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

申命記27~28、箴言14

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